ネット検索上位のページは信頼できる正しい情報…とは限らない

search result

ネットで調べものをする時は検索エンジンを使うのが一般的です。 Googleやyahooなどに調べたい単語を打てば大体自分の知りたいことが書いてあるページが出てきます。

しかし検索上位サイトが正しい・信頼できるサイトなのかと言えば必ずしもそうとは言い切れません。 正しい・信頼できるサイトが上位に来やすい傾向はありますが、デマや嘘が書かれてあったり詐欺目的のサイトが上位に来ることもあるのです。

検索上位に出てくるのはSEOに優れたページ

seo

SEOという単語を聞いたことはあるでしょうか? これはSearch Engine Organization(検索エンジン最適化)の頭文字を並べたもので、ウェブページを検索エンジンにて上位表示するためのノウハウのことを言います。

結論から言いますと検索エンジンが上位表示するページは最もSEOに優れたページです。 SEOに優れていれば嘘やデマが書いてあったり詐欺サイトだったりしても上位表示されてしまうんですね。 だから「検索で上位表示されているから正しい」と安易に信じるのは危険です。

しかしSEOに最も優れるページとは言うほど酷いページという訳ではありません。 ページの品質やサイトの信頼は最も重要なSEOの要素のひとつですので、基本的には信頼できる・内容が正しいページが上位表示されやすいです。

検索エンジンはユーザが最も求めるページを上位に表示しようとします。 ここで見当はずれのページや質の悪いページを表示していれば誰も検索エンジンを使わなくなります。 検索エンジンを運営しているのは営利目的の企業で主に広告収入によって事業を成り立たせているので、誰にも使われないと破産してしまいます。

だからこそ検索エンジンはユーザーの求めるページをなるべく高い精度で表示する必要があり、それを独自のロジックによって判断しています。 なお同じ検索条件でも検索エンジンごとに違う検索結果が表示されるのは判定ロジックが違うためです。(※yahooはGoogleのアルゴリズムを使っているので同じ検索結果となります)

どのようなページを上位表示するのかの基準は明確には示されていません。 これは明確にしてしまうと上位表示されるのは品質の高いページではなく小手先のテクニックに頼ったページになってしまうための措置と思われます。

しかし上位表示されているページの傾向を見てみると、ある程度「このような基準で判定しているのではないか」と推測することはできます。 そうして蓄積されたノウハウがSEOなのです。よく言われるのは「キーワードを見出しや文中に散りばめる」「1記事の文字数は1000文字以上」「サイトに記事が沢山ある」「被リンク数」「サイトの権威」などですね。

検索エンジンがどのようなページを上位表示させるかのロジックは定期的に変更されています。 これはより品質の良いサイトやページを上位表示させるためであるのはもちろんですが、小手先のテクニックに頼ったページを振るい落とすための措置でもあります。

そうして日々品質の良いサイトを検索上位に表示させようとしている検索エンジンですが、それでも悪質なサイトが上位表示されることはあります。 いくつか事例を紹介しましょう。

悪質なページが上位表示される事例

caution

さきほどは上位表示されているページは基本的に信頼できるページと言いましたが、そうではないものも沢山あります。 そして意図的に悪質なページをSEOテクニックによって上位表示する人や企業もあるのです。

悪質なページがどのような場合に上位表示させるか、一例を挙げましょう。

SEOに特化して品質以上のランクを持っているケース

同程度の品質を持ったページが2つあった場合、小手先のテクニック的な意味でのSEOに優れている方が上位表示されます。 将来的に変動するかもしれませんが、少なくとも現時点では多くのアクセスを集めるのはSEOに優れている方です。

それでは品質は低いけど小手先のテクニックに優れたページと、品質は高いがテクニックに劣るページの順位はどうでしょう? 記事の品質の差以上にテクニックの差があれば、質の悪いページの方が上位表示されることとなります。

かつてDeNAが運営していた医療サイト「WELQ」が分かりやすい例でしょうか。 WELQは大資本に物を言わせてSEOに優れた大量の記事を日々発信し、多くの医療系検索ワードで上位表示されていました。 しかし記事の質については疑問符が付くものも少なくなく、「肩こりは幽霊のせい」なんて記事すら存在しました。

人の命に関わりかねない医療サイトで劣悪な記事が検索上位に来るのは問題視され、他にも色々問題があったこともありWELQは2016年末には休止に追い込まれました。 しかしこれで事態は解決したのかと言えばそんなことはなく、別サイトの劣悪な記事が上位表示されるようになっただけの検索ワードも多いです。

ドメインやサイトを乗っ取って悪用するケース

SEOの重要な指標のひとつにサイトの権威があります。 どこの誰が運営しているのかも分からない零細サイトよりも、マスメディアや専門家が運営しているサイトの方が信頼できそうですよね。 権威とはそんな感じのものですが、これを逆手に取ったのがドメインやサイトの乗っ取りです。

権威のあるサイトとないサイトでは、同じような記事なら権威のあるサイトの方が上位表示されます。 劣悪な記事でも権威あるサイトにて発信すれば、権威のないサイトの品質が高い記事よりも上に来ることもあるのです。

しかし劣悪な記事を乱発していてはサイトの権威は地に落ちます。 だからこそ権威あるサイトが評価されている訳ですが、それを逆手に取ったのが乗っ取りです。 乗っ取りと一口に言ってもハッキングして改竄するような違法なものもあれば、サイトを買い取ったり運営終了したドメインを取得する合法な手法もあります。 まあ取得する手段の合法性はさておき、サイトが持っていた権威を悪用しようとするのが乗っ取りです。

注文してお金を振り込んでも商品が届かない詐欺目的ショッピングサイトを作るとします。 こんなサイトを一から作ってもほとんどの人はサイトの存在にすら気付かず、被害が発生しても微々たる件数でしょう。 しかしamazonを乗っ取って作られたサイトならどうでしょうか?商品検索したら上位表示されるでしょうし、沢山の人が被害に合いそうですよね。

サイトが乗っ取られて詐欺サイトに作り変えられて検索上位に表示され、消費者に被害が出る話は何度かニュースにもなっています。

まとめ

そんな訳で検索上位だからと言って必ずしもそのサイトやページが信頼できるという訳ではありません。 時間が経てば悪質なものは検索エンジンによって駆逐されていきますが、いたちごっこ的な側面もありますし隙をついて悪質なサイトが上位表示されることもあります。 なので精査が必要な情報はちゃんと裏を取りましょうという話でした。

情報が信頼できるかどうかの精査が必要なのはネットに限った話ではありませんけどね。 鵜呑みにすると危険な情報(法律や医療など)は、論文を読む・専門家に聞く・複数の情報源から調べるなどして裏を取る必要があるでしょう。

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