タマネギを切ると目にしみるのは、催涙成分を合成するから
タマネギを切ると目にしみるのはご存知でしょうか。 先日タマネギを切ったら久々に目にしみたので記事にしようと思います。
これはタマネギの細胞が壊れた時に生成される催涙成分が原因です。 タマネギを切ると細胞が壊れ、複数の物質が合成されて催涙成分となり、揮発して飛散し、目に入ると涙が出てくるのです。
タマネギを切ると目にしみる理由
タマネギには「プレンクソ」「アリイナーゼ」という物質が別々に格納されています。 細胞が壊れると二つの物質が結びついて「スルフェン酸」となり、更に別の物質と反応して催涙成分となるのです。
これはタマネギが捕食者から身を守るための防衛機構です。 齧られたら硫黄成分や催涙成分をまき散らして「僕は毒だから食べられないよ!」とアピールしているのです。
人間はタマネギを日常的に食べるので毒物という認識が薄いですが、多くの哺乳類や鳥類にとってタマネギは猛毒となります。 人間がタマネギを食べても平気なのは、タマネギ毒への耐性が高いからです。
ネギ類はペット全般に与えてはいけない食べ物の代表格なので気を付けましょう。
タマネギを切る時の対策
目を保護する
催涙成分が目にしみるのであれば、物理的に目を保護すれば良いですね。 コンタクトレンズやゴーグルなどでカバーすれば大分マシになります。
ただし催涙成分は鼻からも入ってくるので、目を保護するだけでは完全に防げません。 鼻栓も付ければ完璧ですが、タマネギを切るためにゴーグルと鼻栓をするのはさすがに面倒すぎでしょうか。
目にしみないタマネギを買う
一般的に広く流通しているタマネギは、切ってもそんなに目にしみることはありません。 特に「涙の出ないタマネギ」として開発された「スマイルボール」は、切っても目にしみず、辛味や臭いもほとんどありません。
そんな状況もあって近年はタマネギが目にしみることを忘れている人も多いです。 しかし目にしみるタマネギが絶滅した訳ではなく、時々そんなタマネギが手に入ると「ギャー!目にしみるぅ!」となります。
タマネギを冷やす
催涙成分は揮発性であり、温度が高いほど沢山揮発して飛散しやすいです。 なのでタマネギを冷蔵庫で1時間ほど冷やしておけば飛び散りにくくなります。
ただタマネギは本来冷蔵する必要のない野菜です。 冷蔵庫に余裕があるなら良いですが、基本パンパンな我が家では使えない手です。
タマネギをレンジでチンする
催涙成分をあらかじめ高温で蒸発させてしまえば切っても平気になります。 なのでタマネギをレンジでチンすればほとんど目にしみません。
ただし生タマネギが加熱タマネギに変わってしまうので、生タマネギを使いたい時にはできない手です。
切れ味の良い包丁を使う
タマネギの催涙成分は細胞が壊れた時に物質が混ざり合って生成されます。 なので綺麗に切れば生成量を抑えることができます。
タマネギを切る時は切れ味の良い包丁を使いましょう。 包丁は月に1度ぐらい砥ぐと良いと言われており、私はトマトがスッと切れなくなったら砥ぐことにしています。
水に晒す
催涙成分やその元となる物質は水溶性です。 なので包丁やタマネギを水に晒すことで、水に溶かして飛散を防ぐことができます。
ただ包丁を濡らす、タマネギを丸ごと水に浸けるぐらいでは効果はあまり期待できません。 スライスしたタマネギを水に浸けると良いですが、面倒ですしタマネギの栄養まで水に溶けだしてしまいます。 あまりお勧めできない方法ですかね。
以上、タマネギが目にしみる話でした。 先日切った時にすごく目にしみたのは、頂きものということもありますが、夏の暑さのせいもあったのでしょうか。