遺骨として納められる喉仏の骨は第二頸椎という背骨

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故人を火葬した後、喉仏の骨のみを別の骨壺に納めることがあります。 喉仏の骨は座禅している仏様のような形をしており、仏教的に特別な意味のある骨なのです。

しかしこの喉仏の骨、成人男性の喉の突起を作っている骨ではありません。 遺骨で言う所の喉仏の骨は背骨の上から二個目の骨である第二頸椎なのです。

遺骨の言う喉仏の骨は第二頸椎のことを指す

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背骨の上から7つまでの部分を頸椎と言い、上から第一頸椎、第二頸椎と連番になっています。 頭を支えるための骨であり、ほとんどの哺乳類は頸椎が7個です。

第二頸椎は仏様が座禅しているような形をしており、そのことから「喉の骨」と名付けられたと言われています。 仏の名を冠するだけあって仏教においてこの骨は重要視されることが多いです。

分骨する際には喉仏だけを小さな骨壺に入れることが多いですし、遺骨に喉仏の骨のみを残す場合もあります。 また火葬の際に喉仏の骨が綺麗に焼け残ると、故人が生前によく善行を行った証拠だと言われ極楽浄土へ行けると言われることもあります。

遺骨の言う所の喉仏の骨は喉仏にある骨ではない

喉仏とは成人男性の喉にある突起の名称のことを指します。 このことから「喉仏の骨」を突起を形成している骨であると考えている人も少なくありません。

しかし喉の隆起を作っているのは甲状軟骨であり、遺骨で言う所の喉仏の骨は前述した通り別の骨です。 なお軟骨は火葬の温度で焼くと灰になるため遺骨としては残りません。

この辺の単語がごちゃごちゃなのは昔の人の勘違いによるものなんでしょうかね? まあそんな訳で遺骨に納められる喉仏の骨は第二頸椎という話でした。 あくまで「喉にある仏様のような形をした骨」だから喉仏の骨なのです。

仏教における死後の魂

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仏教においては死後49日の間、魂は現世とあの世を行ったり来たりしています。 その間に閻魔大王などの十王によって生前の行いを鑑みて審判が行われ、49日目に魂の行先が決まります。 そうして次の世界に輪廻転生する訳です。

ちなみに魂の行先は以下の通りです。

浄土(極楽浄土)悩みも苦しみもない世界
天道人間より優れた天人の世界
人道いわゆる人の世界
修羅道戦いの絶えない阿修羅の世界
畜生道動物や虫の世界
餓鬼道飢えと乾きの餓鬼の世界
地獄道いわゆる地獄の世界

浄土を除いた六つの道を六道(りくどう)と言い、生物は基本的にこの6つの世界を輪廻転生します。 この六道は大よそ上にあるほど良い世界ですが、率直に言って碌でもない世界だらけです。 これら六道で徳を積むことにより、六道の輪廻から解脱して極楽浄土へと行けるそうです。

仏教における輪廻転生は簡単に下の世界に落ちやすい一方で中々上の世界に上がれません。 特に人道から転げ落ちると簡単には上がってこれませんし、天道に行ったら行ったで天道には仏教がないから解脱できないという酷いシステムになっています。 解脱するチャンスがあるのはほぼ人道だけなのです。

故人に近しい人は少しでも上にある世界に転生して欲しいと考えますよね。 そこで行われるのが追善供養です。

死後49日までの法要を追善供養と言い、生者が善行を行って積んだ徳を故人のものとして供えます。 これによって審判が有利になり、より上の世界へと輪廻転生できる可能性が高くなる訳です。 なおこれより後に行われる法要は年忌法要と言い、故人の冥福を祈るためのものです。

この魂の話は現代においてあまり信じられているとは思いませんが、それでも人が死んだ後というのは宗教に敬虔になるものです。 故人が浄土へと行けるだろうか、間違って地獄に落ちることはないだろうかと考える人も少なくないのではないでしょうか。 「喉仏の骨が綺麗に焼けると極楽浄土へ行ける」という話は、そんな親族や友人の肩の荷を下ろすための優しい嘘なのかもしれません。

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