電車や道路の「上り」と「下り」は何を上下しているのか?

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電車に乗ると「上り電車」「下り電車」というアナウンスされることがあります。 しかし上り電車に乗っても別段山を上ったりしている雰囲気はありません。

一体何を上下しているのかと言えば、首都あるいは大都市へ向かう電車や道路を「上り」、その逆を「下り」と言っているのです。

道の上り・下りとは

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鉄道や道路の上りと下り

鉄道や道路は起点と終点を定め、起点に行く方向が「上り」で終点に行く方向が「下り」とされています。 東京とを結ぶ道であれば東京を起点に、そうでない道は大都市側を起点にします。

例えば鉄道の東海道本線でしたら起点は東京駅で終点は神戸駅なので、東京駅行きが上りで神戸駅行きが下りとなります。 これが山陰本線でしたら起点が神戸駅で終点は門司駅なので、神戸行きが上りで門司行きが下りとなります。

首都を上と表現する

日本において地方から首都へと行くことを「上京」と表現します。

江戸時代以前は首都は京都だったので、昔は京都に行くことを「上京」と表現していました。 しかし明治以降は東京が首都に変わったので、現代では東京へ行くことを「上京」と表現します。

東京と京都を結ぶ東海道も、江戸時代までは京都方向が「上り」で東京方向が「下り」でした。 しかし明治以降は東京方向が「上り」で京都方向が「下り」と逆転しています。

ちなみに現代日本においても京都府民は東京に行っても「上京」という表現をあまり使いません。 これは京都府民の「京都こそが日本の首都である」という自意識がそうさせているのではないかと考えられています。

上方漫才・上方落語は関西を表す

関西圏の漫才や落語を「上方漫才」「上方落語」などと表現します。

この表現が使われだしたのはとっくに首都が東京となっている昭和以降なのですが、かつて京阪地方や畿内を上方と呼んでいたことに由来してこのように名付けられたと言われています。

インターネットの上りと下りは別の話

adsl

ADSL回線などでは回線速度を「下り100Mbps、上り10Mbps」などのように上下に分けて表示していました。 しかしこれは別に田舎から都市に向かって回線が伸びている訳ではありません。

インターネットを上、利用者を下と見立てて、インターネットから情報を取るのを「下り」、自分がインターネットに情報を送るのを「上り」と表現しているのです。 例えばウェブサイトを閲覧する時はインターネットから情報を取って来ているので「下り」で、ファイルをアップロードする時はインターネットへ情報を送るので「上り」です。

現在主流となっている光ファイバーは上りも下りも同じ速度となり、上下別々に速度を書くのではなく「1000mbps」などと一律に書かれるようになりました。 なぜADSLは上り下りで速度が違うのかと言えば、電話回線が送信できるデータ量の問題があります。

ADSL回線とはアナログの電話回線を使ってデータを送受信している回線であり、電話で使用しない周波数帯を利用してインターネットのデータ送受信を行っていました。 しかし間借りしているだけあって送受信できるデータ量が少なく、限られた回線幅でやりくりしなければなりません。

ADSLは上りと下りをほぼ同じ速度にすることも可能ですが、利用者はインターネットからデータを取得する「下り」を圧倒的に多く利用します。 だからADSLは下りの回線幅を優先的に確保し、その結果「下り100Mbps、上り10Mbps」のような速度差が出来ていたのです。

ただし光回線でも回線の混雑やその他要因によって上りと下りの速度差が発生することもあります。

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