蚊が吸血するのは交尾後のメスだけ

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夏の風物詩である蚊。刺されるとぶっくら腫れて痒みに苛まれる嫌な奴です。 夏になると部屋に入ってきて飛び回るのをイライラしながら追い回しますよね。

しかし実は蚊は草食で樹液や花の蜜などを吸って生きています。 動物から吸血するのは産卵を控えたメスだけで、産卵に必要な栄養を採るために血を求めているのです。

蚊が吸血するのは産卵の栄養を得るため

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蚊は幼虫のボウフラ時代にはプランクトンや排泄物などを食べますが、蛹から羽化して成虫になると一転して草食になります。 主な食べ物は樹液、花の蜜、果汁などで、それらを吸って生きています。

「カクイカ」というボウフラ時代には他のボウフラを食べる種すらいますが、カクイカも成虫になると他の蚊と同様に植物の汁を吸うだけとなります。 カクイカというよりボウフラクイボウフラなんですよね。

それでは夏になると我々の周りに来て血を吸っていく蚊は一体何なんだと思うことでしょう。答えは妊娠したメスの蚊です。 産卵は母体の栄養状態が良いほど沢山の卵を産むことができます。 カマキリやクモなど交尾後にオスを食べてしまうものもいますが、あれもより多くの卵を産むための合理的な行為なのです。

しかし蚊は草食なので交尾後にオスを食べたりはしません。バリバリ食べるような口も持っていませんしね。 その代わりという訳ではありませんが、産卵に必要な栄養であるタンパク質を動物の血液から得ようとします。

蚊は自分の体重と同じぐらいの血を吸い、そして血液から得た栄養を使って豊富な卵を産みます。 なお蚊には血を吸わないと産卵できないものと、血を吸わなくても産卵できるものがいます。 ただし吸血なしで産卵できるものでも、吸血しないと栄養が足りず卵の個数が少なくなってしまいます。

蚊は成虫になってから寿命が尽きるまで、基本的に吸血しては産卵・吸血しては産卵を繰り返します。 およそ生涯で4~5回は吸血と産卵を繰り返すとかなんとか。

卵は水場に産み落とされ、数日で孵化して水棲幼虫のボウフラとなります。 エサを食べて数度の脱皮を繰り返してサナギを経て、孵化から2週間ほどで成虫となります。 そしてまた交尾して吸血して卵を産んでを寿命が来るまで繰り返す訳です。

ちなみに日本にいる人から吸血する蚊はたったの3種類です。 春~秋にかけて一般的によく見かける「アカイエカ」、アカイエカから少し遅れて出てくる黒と白のストライプ模様が特徴の「ヒトスジシマカ」、地下に多い「チカイエカ」です。

吸血行動は夏が最盛期ですが他の季節にも普通に行われます。 流石に寒い冬はアカイエカは休眠、ヒトスジシマカは卵の状態で越冬するため見かけなくなりますが、チカイエカは寒さにも強く一年中刺してくる厄介な奴です。 またアカイエカも暖房などで家の中が暖かい場合は普通に活動を続ける場合もあります。そうやって世代交代しながら人間やその他の動物の血を吸っているのです。

蚊に刺されやすい人の特徴

Insect bites

蚊は吸血対象の動物を見つける時に「二酸化炭素」「汗(に含まれる乳酸)」「体温」の3つを目印にしています。 吐く二酸化炭素が多い、汗っかき、体温が高い人に蚊が寄ってきやすいということです。 体質で決まる部分もあるのでそこはどうしようもないですが、逆に生活習慣で蚊を引き寄せてしまっているケースもあります。

よく言われるのが飲酒です。 アルコールはアセトアルデヒド→アセテート→二酸化炭素の流れで分解されます。 この二酸化炭素が蚊を呼び寄せてしまうのです。

また不摂生も原因になる場合があります。 疲労が貯まると体内に乳酸が貯め込まれやすくなり、汗から排出される乳酸も多くなります。 乳酸は蚊を呼び寄せる原因物質となります。

体温は基礎体温が低いと狙われにくく有利ですが、体温が低いこと自体が病気などのリスクになります。 これはどうしようもないので割り切りましょう。ただ運動や入浴の後はちょっと気を付けた方がいいかもしれませんね。

これらは生活習慣を改善すれば収まるので、急に蚊に刺されるようになったなんて人は注意してください。 もともとの体質や避けられない習慣などで改善しようがない場合は、蚊取り線香や蚊よけスプレーなどで対策をきっちりしましょう。

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