都道府県で機能が違うのは都だけ。道府県は歴史的な経緯で呼称が違う

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日本は1都1道2府43県に分かれています。 しかしなぜ都道府県の4種に分割されているのかはご存知でしょうか?別に47県でもいいはずですよね。

「都」である東京都だけは若干特別な処理があるのですが、「府」「道」の呼称は歴史的な経緯による違いで今日においては深い意味はありません。 だから47県でも問題ないと言えば問題ないのですが、変えるのが面倒なのが理由と言ったところでしょうか。

都道府県に違いはほぼない

tokyo

日本は1都1道2府43県の行政区画に分かれています。 しかしなぜ「都道府県」の4種類も行政区画の呼称があるかご存知でしょうか?

例えばアメリカなら「州」で分かれていますよね。(州と都道府県は全然別物ですが、まあ話の例えとして聞いてください。) ワシントンだろうがニューヨークだろうがハワイだろうが、51区画の全てが「州」であり呼び方は同じです。

それでは都・道・府・県ごとに役割や機能が違うのかと言うと、都だけは特別区という例外的な行政区分を持っています。(詳しくは後述します) なので都は別としても、他の道府県は呼称を変えて区別しなければならない理由はありません。

また都道府県は英語では全て「Prefecture」でまとめられています。 東京都は「Tokyo Prefecture」、大阪府は「Osaka Prefecture」、福岡県は「Fukuoka Prefecture」と都も府も県も同じになります。 なお北海道は例外的に「Hokkaido prefecture」と書きます。

MEMO

「北海道県」と言われることがあるのは、Hokkaido prefectureのせいと思われます。

まとめると都は少し特殊ですが、他の道府県は特に機能は変わらないのです。 なぜ呼称が違うのかと言えば、歴史的な経緯によるものなのです。

都道府県の呼び方が違うのは歴史的な経緯から

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府・県の違いは重要な地であるかどうか

明治4年の廃藩置県により3府302県となりましたが、この時点では「府」「県」の2種しかありません。 旧天領(=徳川の直轄領)の中でも特に重要な場所である京都・東京・大阪の3つを「府」、それ以外を県として定めました。

都は戦中に国の影響力を強めるために作られた

その昔、東京府の中に東京市がありました。 旧東京市はおおよそ現・東京23区に該当する強力な市であり、東京府と東京市の力関係はかなり歪でした。 なので二次大戦中に国の影響力を強めるという名目で東京府を「東京都」としてまとめ、東京市を細かく区に分割したのです。

東京都の区は「特別区」で市町村相当の扱いです。 特別区は「東京都新宿区」のように都に続く位置にあり、それぞれに区長がいて自分たちで行政を行います。

対して政令指定都市の区はただの分割単位です。 政令指定都市の区は「神奈川県横浜市神奈川区」のように市の下にあり、行政は市が行うし区長もいません。

ただ特別区は市町村よりも裁量権が少なく設定されています。 これは「人口が多い場所は各区の裁量で行政を行うよりも都の裁量で行った方が効率的」だからで、要は二重行政の解消を目的としています。

東京市時代は強力な東京市が東京府と対立し、行政・サービス・施設の建設などをそれぞれが独自に行った結果、効率の悪い二重行政となっていました。 それを解消するために東京市を23区に分割し、道路や公共施設など広域にまたぐような行政サービスの提供は都が執り行うようになった訳です。

MEMO

特別区が独自に行政サービスを提供していると、自区の消防署の至近距離に隣区の消防署が建てられるなどの非効率的なケースが頻発します。

そんな無駄を解消するために都が良い感じに調整しようって趣旨ですね。

大阪府においても大阪都構想が提唱されていますが、こちらも主に二重行政の解消を目的としています。

道は地方自治法施行によって誕生した

古代日本は「五畿七道」という行政区分で分けられていました。 畿内は国の中心であるため県レベルで細かく五つに分けられていましたが、道の範囲はとても広く、九州全部で「西海道」、四国・和歌山・三重で「南海道」といった具合に大雑把に分けられていました。

これにちなんで明治政府は北海にある広い島を北海道と名付けたのです。 当初の北海道はあまり開拓されておらず人も少ない場所で、函館県、札幌県、根室県の3県を置いていました。 しかしうまく運営できずに廃止され、代わりに「北海道庁」を置いて政府直轄地としました。

そして第二次世界大戦後、地方自治法施行に伴って北海道庁はそのまま地方自治体となり「北海道」として登録されて今に至ります。

まとめ

そんな訳で色々な経緯があって今日の1都1道2府43県になったのです。 まとめると「都だけ特別、他は旧時代の名残で呼称が違うだけ」と考えておけばおよそ間違いありません。

個人的には全部県にしてもいいぐらいだと思いますが、実務的な問題があったり、政治的な思惑があったり、わざわざ名称変更の手間をかけるのが面倒だったりと色々あるのでしょう。

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