マネーロンダリング(資金洗浄)って何?マネロンする意味と手法
ニュースなどでよくマネーロンダリングやら資金洗浄やら言われることがあります。 しかしよく聞く単語だけど実際にマネロンをなぜどのようにやるのかイメージできない人は意外に多いように思います。
マネーロンダリングとは「人に言えない方法で得たお金」を「人に言える方法で得たお金」に変えることです。 何をどうやっているのかを見てみましょう。
マネーロンダリングとは
世の中には人には言えない手段で得たお金が沢山あります。 例えば盗みや拾って手に入れたお金だったり、こっそり稼いで申告していないお金だったり、横領や賄賂で得たお金だったり…
でもこういったお金って簡単に使う事はできないんです。 身の丈に合わない買い物や遊びをしていたら「あいつ最近羽振りが良いけど一体どこからそのお金が出たんだ」って話になり、お金の出所がバレたら一貫の終わりです。
お金とは人から人へと流れるもので流れを追うことができます。 そのためいきなり出所の分からない大金が出てきたら簡単に「おかしい」と分かるのです。 だから警察がお金の捜査をする時は金遣いが荒くなった人を探したりします。
汚い手段で大金を得ても軽々には使えないため、後腐れなく使うには綺麗なお金に変える必要があります。 この汚いお金を綺麗なお金に変える行為をマネーロンダリング(マネロン・資金洗浄)と言います。
マネロンは匿名取引や海外との取引など、お金の流れを追いにくいものを間に挟むことで実現します。 例えば日本で得た汚いお金を使ってアフリカで車を買っても、中々流れを追うのは難しいですよね。 そして車を日本で売れば「このお金は車を売って得たものだ」と堂々と主張することができるようになります。
具体的にどんな手法があるのか、少し見てみましょう。
マネーロンダリングの手法
資産の購入
大金を他のものに変えたい場合、高価なものを買うのが手っ取り早いです。 代表的なのが株式、不動産、宝石、車などですね。
一旦それらを買って、ほんの一時所有して、後は売れば綺麗なお金に変わります。 もちろん現金化に際して何割かは目減りしますが、元々は使えないお金だったことを考えれば安いものです。
なお高価な買い物は課税対象になるし目立つので、そういった心配が少ない安めのものが買われることも多いです。 例えば車だったら高い高級車ではなく、安い中古車でロンダされる事も多いです。
仮想通貨
仮想通貨もマネロンの温床です。 仮想通貨に国境はなく、国の枠組みで確認や取り締まりを行うのは難しいです。 本人確認不要で取引できる交換所もあり、そういった場所を利用してのマネロンが問題になっています。
既に海外では何億円ものマネロン事件が多数発生し逮捕者も出ていますが氷山の一角と思われます。 仮想通貨は匿名性が高く手軽で便利な通貨ではありますが、それ故にマネロンの温床となっているのです。
仮想通貨には少なからず脱法・超法的な需要があります。 運営主体が不明瞭なので規制することが難しいですし、規制しても規制の緩い通貨に需要が移るだけで根が深い問題です。
カジノ
カジノの売上の大部分はホエールと呼ばれるハイローラー(大金を賭ける人)によって支えられています。 そんなホエールの多くは経済的に成功して財を成した人物です。
一門の経済人がギャンブルに大金をつぎ込むなんて一見するとおかしな行動に見えます。 ギャンブルは損するのが常識なのでバカなことをやっているようにも見えるでしょう。
まあ中には純粋なギャンブル好きもいるでしょうが大体は別の理由があります。 察しの良いあなたはもう分かったでしょう。企業活動で作った裏金をマネロンで綺麗にするためです。
カジノの売上の少なくない割合がそういった層に支えられており、カジノ側も確信犯的にそういった顧客を大事にしています。 「出所のはっきりしたお金しか受け付けません」なんて言い出したら、売上が半減してしまうでしょう。
インターネット
インターネットを使ったマネロンも盛んです。
例えばネットショッピングやオークションでの売買なんかもマネロンの温床です。 適当に商品を買って売るだけで良く、特に記録が残らないサイトは気軽に使えます。
有名なのはメルカリにて現金そのものを販売していた事件でしょうか。 それが取り締まられると今度は一万円札で折った鶴を一万円で販売したりしていましたが、こういった問題が多数表面化したので規約で禁止になったみたいですね。
他にもサイト内やゲーム内で使われる通貨と現金を交換するRMTなどもマネロン目的のものが少なくないと言われていますね。 実態は中々掴みにくいですが、匿名性が高い取引にはこういった問題がつきものです。
ここに挙げたのはあくまで一例で、世の中には様々なマネロンの手法があります。 あなたも知らず知らずのうちに汚いお金を掴まされているかもしれませんよ。