ライオンのオスは楽そうに見えて大変な生活

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ライオンのオスは狩りをしないことで有名です。 ライオンの群れの平凡な一日は、メスは狩りや子育てで大変ですが、オスは子作りして食って寝るだけです。 まるでヒモですね。

でもそんな一見楽そうに見えるライオンのオスは大変な役割を持っています。 決して楽なものではないんですよ。

オスライオンがハーレムを持つまで

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ライオンはオス1~数頭に対してそれより多くのメスとその子供たちで「プライド」と呼ばれるハーレム型の群れを作ります。 メスの子どもはそのままプライドに留まりますが、オスの子どもは3歳ぐらいに成長すると追い出されます。

プライドを出た若きオスライオンは、オスライオン同士で群れを作ります。 将来プライドを持つことを夢見ながら、獲物を狩って力を蓄えるのです。

そして4~5歳に成長すると、プライドを乗っ取るべく他の群れのオスに挑戦します。 この戦いは文字通りプライドを賭けた戦いです。

力に溢れる新進気鋭の若きライオンと、百戦錬磨の老ライオンの戦い。 負ければ大怪我をしたり、その怪我がもとで死ぬ可能性もあります。

若ライオンが勝つとプライドの乗っ取りは成功です。 老ライオンを叩きだし、以前の主の子は殺される場合もあります。

意外にシビアな夢のハーレム生活

オスライオンは巨大な体が災いして狩りが苦手なため、基本的に狩りには参加しません。 メスが取ってきた獲物を食べ、メスとの子作りに励みます。夢のハーレム生活という訳です。

ただ全く狩りをしない訳ではありません。 群れの狩りが失敗続きになるとゾウやキリンなどの強力な動物を狙わざるを得なくなり、そういった時にはオスの巨体が役に立ちます。 オスは速くて小さい相手は苦手でも、巨大な相手であれば優秀なハンターとなるのです。

プライドのオスライオンは1日20時間寝て、メスの狩ってきた獲物を食べ、ひたすら子作りに励みます。 うらやましい生活ですが、しかし楽な事ばかりではありません。

他のプライドやハイエナなどの肉食動物とナワバリがぶつかった場合、先頭に立つのはオスライオンです。 またプライドを乗っ取ろうとする放浪ライオンの挑戦も受けなければなりません。

どんなに強力なライオンでも、いずれは年老いて弱まります。 そしていつかは挑戦者に敗れてプライドを叩きだされ、そのまま死んでしまうのです。 プライドを乗っ取るために戦い、プライドを守るために戦い、プライドの乗っ取りを防ぐべく戦い、負けたらそれが寿命です。

プライドを持てないまま死ぬオスだって沢山います。 一見うらやましい生活をしているオスライオンも、実は大変な競争社会なのです。

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