熊本県に野生のクマはいない
熊本県と言えばゆるキャラ「くまモン」が有名です。 2011年のゆるキャラグランプリで得票数一位を獲得して優勝し、メディアへの露出もトップクラスです。
そんなくまモンがいる熊本県にはどんなクマがいるのかと言えば、7種ものクマがいます! …元「阿蘇クマ牧場」現「阿蘇カドリー・ドミニオン」の中にですが。
熊本(というか九州)には野生のクマはいないし、「熊本県」の由来もクマとは関係ありません。 実は熊本ってクマとの縁は薄いんです。
熊本に「熊」の字を当てたのは初代熊本藩主・加藤清正
熊本県は県名に「熊」を冠しており、熊本を代表するゆるキャラ「くまモン」もツキノワグマをモチーフにしたキャラです。 また阿蘇クマ牧場(現・阿蘇カドリー・ドミニオン)も熊本の観光地として著名で、クマに縁の深い県のようなイメージがあります。
しかし熊本にはどれだけクマがいるのかと言えば、九州のクマは1957年に絶滅もしくは確認できないほどの少数しか生息していないと考えられています。 そんな訳で別に熊本県は野生のクマの王国という訳ではないのです。クマ牧場には200匹以上のクマがいますけどね。
それならどうして「熊本」なんて付いたのかと言えば、熊本の辺りは元々は14世紀頃の南北朝時代には同音異字の「畏本」と呼ばれていました。 畏は「曲がりくねった」という意味合いがあり、球磨川が曲がりくねっている場所だから畏本と呼ばれていたのではないかという説があります。
それがなぜ熊本になったのかと言えば、戦国武将・加藤清正が「畏本」を「熊本」に変えた張本人です。 安土桃山時代に豊臣秀吉の家臣だった加藤清正は、肥後北半国を与えられ「隈本城」へと入りました。 そして1591年に城を改築した際に「熊本城」と名前を改めたのです。
改名の理由は「隈はおそれる・かしこまるの意味合いがあり武将の城として適切でないから」とか「強そうなクマの名前に変えた」とか諸説ありますが定かではありません。 まあ何にしてもこれが「熊本」の由来なのです。
その後関ケ原の戦いで東軍(徳川方)についた加藤清正は褒美として付近の所領を与えられ、熊本藩が成立して初代藩主となりました。 その後廃藩置県によって熊本県となり今に至ります。
そんな訳で熊本県とクマは別に関係ないのです。 もし加藤清正が隈本をそのまま使ったり別のクマの字を当てていたら、くまモンや阿蘇クマ牧場は存在していなかったかもしれませんね。