腸まで食べられる魚とそうでない魚の差
さてみなさん、魚の内臓を食べますか? 独特の苦みと臭みを好んで食べる人もいれば、食べたくないから調理前に処理する人もいますね。
内臓には腸(ハラワタ)があり、魚が食べたものは当然この中を通ってうんちになります。 魚の腸が食べられるかどうかの差は、腸の内容物=うんちの差なのです。
腸を食べる魚と食べない魚
腸の中には当然、内容物=うんちが入っています。 これは普通に考えると食べらないもののように思えますが、動物とは違ってそのまま食べられるものもあります。 例えば鮎は釣って腸を取り除かずに即食べることがあります。
鮎は岩などに生えた苔をエサにしているのですが、そのコケは人が食べても問題ありません。 また1時間ほどで消化してしまうため、内容物の鮮度も特に問題ありません。 (ただし大きくなると肉食寄りになって昆虫を食すようになるため食べない方がいいようです)
なので鮎は特に内臓を処理せずに釣ったその場で焼いて食べてしまいます。 鮎の内臓は珍味として重宝され、鮎の内臓を塩辛にした「うるか」なども人気があります。
ただ腸内の内容物は基本的に食べられないと思った方が良いです。 もし腸を食べる場合は、しばらく生け簀に入れて内容物を出すか、切り開いて取り除くかの処理をした方がいいでしょう。 特に胃を持っている魚や肉食の魚は中に何が入っているか分かりません。
サンマ、トビウオ、サヨリなどは腸内に内容物がないためにそのまま食べられる魚です。 これらは日中に採食していますが、胃がなく消化がとても早いため夜になると内容物が輩出されます。 サンマ漁は夜中に行われるので、釣ったそのままのものが流通しても内臓を食べて問題ないのです。
まあ人類はずっと魚をボリボリと丸ごと食べてきたので、鮮度に問題なければそこまで気にする必要はないのかもしれません。 内容物を気にしていたら貝なんて食べられませんからね。
流通時に魚の内臓が取られるのは傷みやすいから
スーパーの魚コーナーを見ると、大抵の魚は内臓が切り取られています。 切り身はもちろんですが、一匹丸ごと売っている場合でも処理されていることが多いです。
これは魚の内臓が痛むのがとても早いのが理由です。 ただでさえ鮮度を保つのが難しい魚ですが、その中でも最初にダメになるのが内臓です。 内臓が痛んでしまえば周囲にも腐敗が伝搬してしまうので、あらかじめ取り除いてから売りに出されることが多いです。
魚に「調理済み」と書かれている場合、内臓とうろこがあらかじめ処理されています。 これは買った人が料理がしやすくなるのはもちろんですが、魚を長持ちさせるための措置でもあるのです。
本当においしい新鮮な魚は内臓はそのままにして売られています。 処理が面倒でも、そういった魚を選ぶのがお勧めです。