飲みかけのペットボトルは雑菌の温床になる
大きめのペットボト飲料は喉がよほど渇いていないと一度に飲みきれません。 後で飲もうと置いておくことも多いです。
その存在を忘れて何日も後になって思い出し「これ飲めるか…?」と葛藤したりします。 まあ飲みかけをそのままにして日を置いたら飲まない方が無難ですよ。 中身は雑菌だらけもいいところなのですから。
雑菌の温床と化すペットボトル
未開封のペットボトルは無菌状態であるため、常温で放置しても問題ありません。 しかし一度開封するとそこから菌が入り込んで来て、特に口を付けると様々な口内細菌が大量に入り込みます。
口内細菌は口内環境が綺麗な人で100億、汚い人なら1兆と言われています。 どんなに丁寧に飲んだとしても、口を付けたらまったく菌を移さずに飲むのは無理です。
こうしてペットボトルに移動した細菌は繁殖を始めます。 細菌の繁殖に必要なのは「栄養・水分・温度」の3つです。 まあどんな生物もそれは大体一緒ですが、雑菌の特筆すべきはその凄まじい繁殖速度です。
菌は分裂して増えるので、1つが2つ、2つが4つ、4つが8つ…と加速度的に増殖していきます。 菌や条件にもよりますが、理想的な条件だと10分~数十分程度のサイクルで数が倍になります。
ペットボトル内は理想的な環境ではないのでそこまでのスピードで増殖しませんが、水分も栄養分も十分です。 特に砂糖入りのジュースは栄養満点であるため、細菌がウジャウジャ増えていきます。 ただの水だとしても、ジュースよりは緩やかですがモリモリ増えます。
もう一つの要素「温度」ですが、細菌にとって最適な温度は種類によってまちまちです。 基本的に15℃~35℃くらいで活発になるものが多く、冷蔵庫に入れると増殖速度を大分抑えられます。 しかしあくまで抑えるだけで増殖が止まる訳ではありませんし、中には冷蔵庫ぐらいの温度では問題ないやつもいます。 真夏に外に置いておくのは最悪ですが、冷蔵庫で冷やしているから安心という訳でもありません。
多少細菌が増えたからと言っても致命的な菌がいなければまあ飲めるのですが、もし食中毒菌などの強い毒性を持つものが混じっていると厄介です。こいつがペットボトルの中で増殖してしまうと、飲めば腹を下したり食中毒になったり最悪死ぬことすらあるかもしれません。
ペットボトル飲料を長持ちさせるには
ペットボトル飲料を長持ちさせるには、細菌を増やさない工夫をしましょう。
ペットボトルに直接口を付けずにコップに移すなどして飲めば、ペットボトル内に入る菌を抑えることができます。 飲みきれない量だと思ったら最初はコップで飲んだ方がいいでしょう。
飲みかけのボトルは冷蔵庫に保存しましょう。 完全に繁殖を止めれる訳ではありませんが、暑い外に置いておくよりはマシです。 可能であれば冷凍するのが有効です。菌が死ぬ訳ではありませんが、冷凍状態では繁殖できなくなります。
そして何よりの対策はさっさと飲むことです。 どれだけ気をつけようが開封したら菌は入り込みますし、入り込んだ菌は時間が経つごとに増加していきます。
口を付けたペットボトルがどれだけ時間が経つまで安全か明確な基準はありません。 どんな菌が入ったか、どんな環境に保存していたか、飲んだ人の抵抗力はどのくらいかなどで変わるため、一概に言えないのです。 1週間放置しても問題ない可能性もありますが、数日で危ない可能性もあります。
まあ一つ言えることは「 開封後なるべくお早めにお召し上がり下さい。」ですね。