倍々ゲーム色々 - 新聞紙を42回折れば月に届く・他

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「倍々ゲーム」という言葉をご存知ですか? 数値を倍にしていけば、最初は少ない数でも凄い勢いで増えて膨大な数になることを表現した言葉です。

「新聞紙を42回折れば月に届く」もそのうちの一つです。 色々な倍々ゲームを見てみましょう

新聞紙を42回折れば月に届く

newspaper

新聞紙の厚さが0.1mmだとすると、1度折れば0.2mm、2度折れば0.4mmになります。 これを繰り返すと22回折れば東京タワー、26回で富士山、42回で月、51回でなんと太陽まで届き、100回で宇宙の果てまで届きます。

しかし当然新聞紙を何回も折り曲げるのは至難の業です。 普通の新聞紙を折っただけではせいぜい6回、縦横をフルに使って折ってもせいぜい8回が限度です。 果たして月まで届く日は来るのでしょうか?

ねずみの増殖

rat

ねずみは生後3か月で成熟して子を産めるようになります。 1度に6~8匹の子を出産して出産回数も年4~7回と多く、親が子を産み子が孫を産みで時間経過と共にとんでもない数に増えていきます。

野性下では天敵に食べられたり病気で死んだりと様々な要因で命を落とすため生き残れるのはわずかですが、安全な環境で飼育するのであれば2匹のネズミを1年で数百~数千匹にまで増やすことも可能です。 よく動物実験でねずみが使われるのも簡単に増やせるというのが大きいのです。

ちなみに一定期間に一定条件で出産するねずみがどれだけ増えるかを計算するのを「ねずみ算」と言います。 これは算数の例題の一種ですが、簡単なようで一工夫必要な問題です。 またねずみ算のように時間が経つごとにどんどん数が増大していく様を「ねずみ算式に増える」と表現します。

ねずみ講

nezumikou

無限連鎖講とも言われる犯罪です。 端的に言えば会員に親・子・孫…の階層関係があり、分配時に上位の会員に有利な配分がされるのが特徴です。 会員から紹介されて入会するとその子会員となり、会員を紹介して入会させるとその親会員となります。

「(下位)会員を沢山入会させると沢山儲かる」がうたい文句ですが、親会員が子会員を作り子会員が孫会員を作りを繰り返すうちに、あっと言う間に日本の人口を軽く越えるので現実的ではありません。

下層会員の数には限界があるので、ねずみ講は一部の上層会員のみが儲かるモデルであり、下層会員が儲からないことに気付いて抜けると破綻します。 最初から破綻を前提にしたモデルなので、資金を集めるだけ集めて逃げることも多いですね。

50年以上前には既にあった使い古しの詐欺の手口ですが、2011年に被害額100億円超の「年金たまご」が摘発されるなど、未だに使われ続ける手口です。「こんなのに引っかかる方がおかしい」と思う人もいるでしょうが、巧妙に分かりにくく作られていますし、金融商品にも似た性質のものがあったりもします。また国が運営している年金もこれに近い性質を持っています。あまり笑えないですね。

バイバイン

baibain

ドラえもんに塗ったものが5分で倍に増える「バイバイン」という秘密道具があります。 作中では栗饅頭に使っており、1時間で4096個、2時間15分で1億を超えるとドラえもんが説明しています。 もっともこの説明をしたのは取り返しがつかなくなってからですが…

粗筋を説明しますと、のび太はバイバインを栗饅頭に塗って増やして食べるも、食べきれずに余らせてしまいます。 ゴミ箱に隠すように捨てましたが、ドラえもんにバイバインの増殖速度を説明されて怖くなり打ち明けます。しかし既に手に負えない数に増殖しており、最終的にロケットで宇宙の果てに放逐して事なきを得た、という感じです。

食えば増殖しないのかとか、スモールライト使えよとか、宇宙の果てに送るにしても問題あるだろうとかは漫画なので深く考えないことにします。のび太に問題があるのはもちろんですが、こんな危険な道具を簡単に貸すドラえもんもどうかしてると思います。

おこずかい増量作戦

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親に「今月のお小遣いは1円でいいから、来月はその倍、再来月はさらにその倍と増やして欲しい」と頼むと、1年ちょっと経てばお小遣いが1万円以上になるという笑い話の類です。

子供時代に何かの雑誌で読み、作中では親からまんまと大金をせしめることに成功していました。 そこで親に交渉してみたところ「月では駄目だが年単位なら構わない」と言われて必死に計算したのを覚えています。 10年で1000円しか貰えないことに愕然として止めましたが。

借金の複利

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年20%の利子で100万円借りて全く返さなかった場合、翌年には120万円になり、更に翌年には144万円となり…10年後には600万円を超えます。借金をして支払いが滞ると雪だるま式に増えてしまい、あっという間に返済能力を越えて破綻してしまいます。

あのアインシュタインも「この世で最も強力な力は、複利の力です」と言ったとかなんとか。

預金でも同じように増えればいいのですが、金利年0.1%を平気で切る今日では、借金のように膨れ上がることはありません。利率0.1%で100万預けた場合、複利の力を以ってしても50年で5万ちょっとしか増えません。悲しいですね。

倍々ゲームは時に想像を超えた増殖速度を見せて恐ろしい結果になります。 例えば家の中で倍々で繁殖するゴキブリのことを考えると鳥肌が立ちますよね。 複利は良くも悪くも強力なので、うまくコントロールしましょう。

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