「オタク」と「マニア」の違いは「外向きか内向きか」
漫画、アニメ、アイドル、鉄道などジャンルを問わずサブカル好きな人のことを「オタク」や「マニア」などと呼びます。 この2つは明確な定義も境界線もなく曖昧な概念ですが、二つを分ける傾向のようなものはあります。
オタクは「外向き」、マニアは「内向き」なものに対して使用する印象が強いです。 要はサブカルをコミュニケーションツールとして使っているのが「オタク」、個人的に熱中しているのが「マニア」という訳です。
オタクとは
オタクとは主に漫画、アニメ、アイドル、ゲーム、パソコンなどのやや肩身が狭い文化である「サブカルチャー」に熱中する人たちを指す言葉です。 1970年代にオタク同士が相手を呼ぶ際、二人称(あなた)を「おたく」と呼んでいたことに由来すると言われています。
オタクは特定の趣味や話題をコミュニティ内で共有する、いわゆる「コミュニケーションツール」として利用します。 そのため活動・知識・コレクションなどを周囲にひけらかすのがオタクの特徴です。
一般人が自己顕示欲や承認欲求をメインカルチャーやポップカルチャーで満たすのに対し、オタクはそれをサブカルチャーで満たしている訳です。
中にはメインカルチャーやポップカルチャーに傾倒するオタクもいますが、楽しみ方が人とは少し違う感じがあります。
例えば野球オタクと評される知人がいますが、一緒に野球観戦をしていると「データが~」「こいつはこの場面では~」「俺なら~」などうざい独特な楽しみかたをしています。
野球自体はポップカルチャーですが、野球オタクの野球とのかかわり方が主流から外れており、実質的にサブカルとして機能している訳です。
マニアとは
マニアとはギリシャ語の「狂気」を由来とした言葉で、特定の物事に傾倒する人のことを指します。 マニアもオタクと同じく特定の物事に強い関心を抱き、コレクターとして物を集めたり知識や技術を深めたりします。
しかしマニアはオタクのように物事を他人と共有する必要性をあまり感じません。 これはマニアが熱中するのは他人とコミュニケーションするためではなく、自分の内なる欲求を満たすためだからです。
マニア同士でコミュニティを形成することもありますが、これは自分の趣味を掘り下げるために他人が必要だからに過ぎません。 マニアは「中毒者」や「依存症」とも評されますが、これは的を得た表現だと思います。
マニアもポップカルチャーに傾倒することがありますが、やはり人とは違う楽しみ方をしています。 自分の世界に籠って熱中しているという点では、オタク以上に一般人と離れていると言えるでしょう。
オタクはキモい?
オタクは「キモい」と評されることがあります。 オタクは一括りにできるほどまとまった集団ではありませんが、そう評される要素を持っている場合もあるので掘り下げてみましょう。
一般常識の外にある
オタクの中には身なりや言動に気を配らない人が少なくありません。 これはコミュニティ内でこういったものが重視されず、別のマナーや文化があるからです。
一般的に「ダサい」と言われるファッションでもオタク界隈では許容されるし、コスプレやオタクファッションで着飾って専門用語のような会話で盛り上がります。 これらの言動は一般常識の外にあり、キモいと評される理由は分からなくもありません。
マイノリティーである
一般常識の外にあるのは何もオタク文化に限った話ではありません。 どんなポップカルチャーでも認知度はせいぜい3割ですし、知らないポップカルチャーを異様に感じる事も珍しくありません。
中にはアイドルの追っかけなどやってることがオタクと大して変わらないものもあります。 それにもかかわらず「キモい」と評されないのは数の力です。
ポップカルチャーは担い手が多いため、界隈特有の慣習が広くに認知されますし、悪口を言うと数の力で反撃してきたりします。 ずるいですね。
マニアは気持ち悪くない?
マニアとオタクのやることは大差ないことも多く、ぱっと見では区別が付かないケースも珍しくありません。 それにもかかわらず「マニアキモい」と評されないのは人目に付かないからと思われます。
オタクはコミュニケーションが目的のひとつなので、趣味を文章・ファッション・創作など色々な形で外部に発信します。 それはオタク趣味に興味がない人の目にも入りますし、一種異様な光景に見えることでしょう。
対してマニアは基本的に他人を必要とせず、部屋の中で一人で完結することも多いです。 外に出たり交流したりもしますが、コミュニケーションが目的ではないので目立ちません。
これはマニアの強味と言えるでしょう。