コラーゲンを食べてもコラーゲンにならない
動物の皮、軟骨、血管などに含まれるタンパク質の一種をコラーゲンと言います。 若者がツヤツヤのお肌なのもこのコラーゲン群がしっかり繋がって肌の張りを保っているからなのですが、加齢と共にコラーゲンは減少してお肌がシワシワになっていきます。
そこで「美容と健康のためにコラーゲンを採ろう!」を合言葉に様々な食品やサプリメントが販売されました。 しかしながらコラーゲンは食べてコラーゲンになるようなものではないので、半分詐欺みたいなものなのです。 一応アミノ酸が得られるから全く意味が無いとは言いませんが…
コラーゲンを摂取してもコラーゲンにならない
コラーゲンとはタンパク質の一種であり、肌をピンと張らせたり、骨をしなやかにしたり、間接を滑らかにする働きがあります。 加齢と共に減少ていき、ジワジワと肌の張りがなくなってシワになったり、骨が弱くなったり、関節のクッションがなくなって関節痛になったりします。
コラーゲンは美容と健康に必須のタンパク質であると言えます。 そんなイメージからか「コラーゲンたっぷり」のような謳い文句で食品やサプリをアピールしている商品がよく見られます。
確かにコラーゲンは大事なのですが、だからと言ってコラーゲンを摂取すれば良い訳ではありません。 なぜならコラーゲンを食べても、コラーゲンにはならないからです。
タンパク質を食べるとアミノ酸まで分解されてから体に吸収されます。 タンパク質の一種であるコラーゲンもそれは同じですので、コラーゲンを摂ることはタンパク質を摂ることと変わりありません。
なので「コラーゲン豊富」という言葉に過度の期待を寄せるのは止めましょう。 正しい食生活でタンパク質が十分に摂取できていれば、いくらコラーゲンを摂取しても影響ないのです。
納豆を食べても血液サラサラにならない
テレビ番組にて「納豆は血液をサラサラにする」という特集をやっていたので、それを例に挙げてお話したいと思います。
その番組では納豆に含まれるナットウキナーゼを血液に混ぜると血がサラサラになることを実演した上で「納豆は血液をサラサラにする効果がある」という結論を出していました。 ここに嘘はありませんが、しかし納豆を食べても血はサラサラになりません。
なぜなら納豆を食べてもナットウキナーゼが血管に入らないからです。 だから納豆に血液をサラサラにする効果があっても、納豆を食べても血液はサラサラにならないのです。
健康食品はこのように錯覚してしまうような効果を謳っていることが多いです。 グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸なども似たような理屈でほとんど効果がありません。 食べても分解してから吸収されるので、そのまま体内で機能する訳ではないのです。
疑似科学による詐欺に気を付けよう
世の中にはそれっぽい疑似科学や心理的トリックの手口で物を売ろうとする手口が後を絶ちません。 マイナスイオン、水素水、花粉を水に変えるマスク、焼き鳥とビールを水にする粉末などなど、全く効果は実証されていないのにそれっぽい文言で錯覚させて信じさせてしまいます。
「科学的だから信用できる」と思っている人も少なくないんですが、上で挙げたものはそもそも科学的ではないんですね。 効果や説明を見ると一見科学的っぽく書いているんですが、科学的方法を無視して結論を出したもので本質的に科学的ではないんです。
これが「守護霊の力でみるみる健康に!」だとか「前世のパワーで花粉症が治る!」なら詐欺だと判断できる人が多いんですが、「ハイドロ銀チタンで花粉を水に…」なんて科学っぽく言われると引っ掛かる人が多いようです。 現代における科学信仰を逆手に取った手口と言えるでしょう。
ただこれらは専門家でもない限りは自分で見抜くのは中々難しいです。 専門知識が要求されたり、実証実験に高価な機材が要求されることも珍しくありません。
だからこういった商品の効果の真偽は信頼できる専門家の意見を仰ぐと良いです。 かかりつけのお医者さんなんかでも良いでしょうし、SNSで発信している人を探すのも良いでしょう。 最近はネット上で偽科学が指摘される速度も上がってきたように思います。
中々難しいことではありますが、疑似科学やデマに踊らされずに、真実を見抜く力を身に付けたいですね。