薄毛やハゲの兆候は抜け毛の本数ではなく性質
男なら誰もが恐れ忌諱する抜け毛・薄毛・ハゲ。 ああはなりたくないと思いつつも、親族がハゲていると「俺も将来なるのかなあ…」なんて思っちゃいますよね。
お風呂の湯船でどれだけ髪の毛が抜けるかワシャワシャ実験してみると、想像以上の抜け毛にドン引きして「これじゃ将来ハゲるやんけ!」と悲観したりすることもあると思います。 でもハゲるかどうかを知る上で重要なのは、抜け毛の本数ではなく質です。
髪の毛のライフサイクル「ヘアサイクル」
健康な髪の人はおよそ10万本前後の髪の毛を持っています。 髪の毛の本数は毛根の数に依存し、毛根の数は胎児の時に決まります。 なので基本的に髪の毛の本数が若い時より増えることはありません。
髪は毛根から生まれ、成長し、そして死んでいき、この一連の周期を「ヘアサイクル」と呼びます。 それでは一般的なヘアサイクルを見てみましょう。
まず毛根から新しく生えてきた毛は成長期を迎え、3~6年ほど成長していきます。 髪の寿命は男性より女性の方が長く、これは女性ホルモンであるエストロゲンの影響だと考えられています。 髪はひと月におよそ1~1.5cmほど伸び、また同時に太く成長していきます。
成長期が終わると退行期に入り、2週間ほどかけて髪の毛の成長が止まります。 その後休止期に入り、2~3か月ほど髪の生えてこないお休み状態になります。 そして新たな髪が生えてきて、古く成長の止まった髪の毛は新芽に押し出される形で抜け毛となります。
髪の生命力が強いと、1つの毛根から2~3本の髪の毛が生えることもあります。 しっかりと根を張っているので、新たな髪の毛が生えてきても抜け毛になり難いのです。 こうなると髪のボリュームが多すぎて纏まらないようですが…髪が少なくなった人から見ればうらやましい限りですね。
逆に髪の生命力が弱いと次の髪が生えてくる前に毛が抜けてしまうことも多くなります。 根が弱いからちょっとしたことで簡単に抜け毛となってしまうんですね。
ヘアサイクルは加齢やホルモンの影響などにより短くなっていきます。 本来なら数年かけて長く太くなるはずだった髪が、1年にも満たない寿命となり細く短いままその生涯を終えてしまいます。 これが薄毛の原因です。
この症状が進むと毛根周辺の細胞が死んでしまい、毛根から毛が生えてこなくなります。 これがハゲの原因です。こうなってしまうと悲しいですね。
ハゲの兆候は抜け毛の質で分かる
ヘアサイクルを理解したところで、どうやったら抜け毛からハゲの兆候を知ることができるかを考えましょう。
まず抜け毛の本数から判断するのは殆ど意味がありません。 仮に髪の総数を10万本、ヘアサイクルを3年と考えると、1日100本は抜ける計算になります。 これは一般的に言われる正常な一日の抜け毛の範囲内です。
いくら抜け毛が多いと感じる人でも、自分の抜け毛を毎日100本も見ている訳ではないでしょう。 また毎日決まった本数が抜けるという訳でもなく、春・秋には活発に髪の生え変わりが起こるため抜け毛も多くなります。 だから抜け毛の本数でハゲの兆候を考えるのはあまり意味がありません。
見るべきは抜け毛の質です。 太い健康的な髪が沢山抜けたところで次の髪が生えてくるだけなので心配いりません。 しかし細く弱々しい髪の毛が沢山抜けていた場合、ヘアサイクルが短くなっていることを意味します。 このままいくと薄毛やハゲに進行していく可能性が高いので、しっかり対策を取りましょう。
まあどれだけ気を付けたところで、年を取れば薄毛になりますしハゲるときはハゲます。 ハゲにくい女性ですら加齢と共にハゲていくのですから男性は尚更です。
気にしすぎるとハゲるとも言うので、あまり深刻に考えずにハゲなりに楽しむことを考えた方がいいのかもしれません。