水は沢山飲めないのにお酒は沢山飲める理由は吸収・排出速度の差
お酒の席になると強い人はビールをたくさん飲みます。 大ジョッキで何杯も飲んだり、中には毎日3ℓ飲んでるなんて人もいますよね。
しかし同じ量の水を飲むのは簡単ではありません。 運動して汗をかいた後ならともかく、飲み会の席で酒の代わりに水を飲めばすぐに限界がきます。 酒は飲めるのに水が飲めない理由は、水分の吸収・排出速度の差にあるのです。
お酒を沢山飲めるのは水分の吸収・排出速度が速いから
水もお酒も飲んだ後は、当然ですが喉を通って胃に貯まります。 胃に貯まった状態では満腹になり、次を入れることができません。
ここまではお酒も同じです。一晩で3ℓお酒を飲める人でも、15分で3ℓ飲むのは無理ですよね。 しかし胃から先で吸収される速度は水とお酒で段違いなのです。
水は胃から先へと流れていく際、小腸や大腸から体に吸収されます。 お酒はそれに加えて胃壁からも体に吸収され、加えて含まれている糖質も吸収を助けます。
更にアルコールには利尿作用があります。 ビールぐらいのアルコール度数の場合、飲んだのと同じぐらいの水分が尿として排出されます。 焼酎やウィスキーなどアルコール度数の高いお酒などは飲んだ以上の水分が尿として排出され、飲めば飲むほどに水分が失われていずれ脱水症状を引き起こしてしまいます。それほど強力な利尿作用があるのです。
つまりお酒は水よりも水分を吸収・排出する速度が速いため、一定の間隔で飲めば体に取り込まれる水分と排出される水分が釣り合うため、いくらでも飲めるのです。だから一晩で何ℓも飲むことができるのですね。
しかし水分的にはいくらでも飲めるとしても、お酒の飲み過ぎには要注意です。 お酒にはアルコールが含まれているのですから…
アルコールの摂りすぎに注意
水分としてはゴクゴク飲めるお酒ですが、当然飲み過ぎれば体に悪影響があります。 何が問題かと言えば当然アルコールです。アルコールは水分と違って簡単に分解・排出できません。
アルコールを摂取すると、1割は汗や尿から排出されますが、残りは肝臓で分解されます。 しかし肝臓の処理能力は一定なので、沢山飲めばそれだけ長い間体内にアルコールが留まります。
アルコールの処理能力は個人差があるので一概には言えませんが、一般的にビール瓶1本分のアルコールを分解するのに3~4時間かかると言われています。 沢山飲んでも処理能力は一定で、ビール瓶3本飲めば半日はアルコールが体内に残ったままです。
寝ればアルコールが分解されると勘違いしている人がいますが、この認識は真逆です。 睡眠中はアルコールの分解速度が半分に落ち込むため、アルコールが抜けるのにかかる時間は倍になります。 深酒すればたっぷり睡眠しても酒が残っている可能性が高く、その状態で車の運転をすれば飲酒運転で捕まります。
お酒は飲んでから酔うまで時間差があるため、深酒になりやすい点も注意が必要です。 胃腸から吸収されたアルコールは血管に入って脳に届くまでに30分ほどの時間差があります。 まだ飲めると思って限界まで飲み続けると、数十分後にはべろんべろんに酔いが回っていることでしょう。
お酒の飲み過ぎは生活リズムを崩したり病気の原因になったりとろくなことがありません。 いくらでも飲めるからと言って飲み過ぎず、適切な距離での付き合いを心がけましょう。