「お好み焼き」「モダン焼き」「広島風お好み焼き」の違い
関西のソウルフードと言えばお好み焼きです。 お好み焼きには大きく分けて「お好み焼き」「モダン焼き」「広島風お好み焼き」の3種があります。
これらの違いが何なのかは関西人には説明するまでもないことですが、他地域にお住まいだと知らない方も多いと思います。 これらが何によって区別されているのか見てみましょう。
お好み焼き
お好み焼きは別名「混ぜ焼き」と言い、生地と具材を全て混ぜてから焼いたものです。 広島県民からは「関西風お好み焼き」と呼ばれることもあります。
生地、出汁、キャベツ、肉、卵、ショウガなど好きな具を混ぜて鉄板の上に流して焼きます。 肉や目玉焼きを別に焼くこともありますが、基本的に具材は全部混ぜてひと塊にします。
他2種に比べると簡単で手早く作れて価格帯も安いです。 焼くのに必要なスペースも小さいので家庭でもフライパン一つで簡単に作れます。
その手軽さもあって関西ではお店・屋台・家庭問わずで広く親しまれており、ごはんにおかずにおやつにと作られています。 お好み焼きをおかずにする場合は、ご飯と味噌汁を添えるとお好み焼き定食となります。
モダン焼き
モダン焼きは混ぜ焼きのお好み焼きにソバ(焼きそば)を加えたものです。 値段は高くなりますが、ソバが入った分ボリューム満点なのが特徴です。
お好み焼きの生地を鉄板の上で片面焼き、その上にソバを乗せます。 更にソバの中に生卵を落とすことも多いですね。そしてひっくり返して焼けば完成です。
ソバや卵はお好み焼きとは別に横で作り、後から乗せる作り方もあります。 まあどのような形にしろ、お好み焼きにソバが入っていればモダン焼きです。
モダン焼きの「モダン」は「もりだくさん」から取っています。 その名の通り盛り沢山な食べ物です。
広島風お好み焼き
広島風お好み焼きは作る際に生地と具材を混ぜず、焼きながら具材を重ねていくものです。 完成するとミルフィーユのように具材が層を形成します。
鉄板の上に生地をクレープのように伸ばして焼き、上にキャベツやもやしなどの野菜、さらに上に肉と乗せて、ひっくり返して蒸します。 そして焼きそばと目玉焼きを横で作って、目玉焼きの上に焼きそば、焼きそばの上に最初の固まりを生地が上になるようにスライドして乗せれば完成です。
ボリュームがあって作るのに手間もかかるため、価格帯は関西風に比べると高めです。 また製法上、鉄板のような広いスペースが必要になるため、家庭で作る難易度は高めです。
広島県内ではむしろこちらが「お好み焼き」であり、関西の混ぜ焼きは広島県内では「関西風お好み焼き」と呼ばれます。 しかし関西ではこちらが傍流で「広島風お好み焼き」や「広島焼き」などと呼ばれ、全国的にも関西に倣うのが一般的です。
お好み焼きと言えば大阪のイメージがありますが、広島も結構なお好み焼きの街なんですよね。 お好み焼き店が大量に入ったお好み焼き村がありますし、お好み焼きソースとして確固たる地位を築いているオタフクソースも広島発祥です。
ちなみに私は関西育ちですが、広島焼きの方がおいしいと思いますしお好み焼きソースに使うのは専らオタフクソースです。 あまり声を大にしては言えませんけどね。
関西ではお好み焼きを格子切りにする
関西以外の地域ではお好み焼きを下図のようにピザ切りにすることが多いです。
これは等分にしてシェアするには良い切り方ですが、関西ではあまり見られません。 関西ではお好み焼きは一人一枚食べるものでシェアする文化があまりないのと、ピザ切りでは食べにくいのが理由です。
関西ではお好み焼きを下図のように格子切りにします。
この切り方は食べやすいよう一口サイズに切り分けることを目的にしています。 関西ではコテを使って食べることが多いのも格子切りが好まれる理由でしょうか。
大きさがバラつくし具も偏るのでシェアする場合は不公平感が出ますが、そもそもシェアしないので問題になりません。
別に格子切りにしなければならないという訳ではありませんが、一人で食べる際にはぜひ一度お試しください。 とても食べやすい合理的な切り方です。