意外に知らない、風邪薬の基礎知識
風邪をひくと発熱し、頭がぼーっとしたり体が辛くなったりします。 そうなるとついつい風邪薬を飲んでしまいますよね。
風邪をひくと条件反射的に飲む薬ですが、その薬がどういうものなのか知らずに飲んでいる人も多いです。 風邪薬や解熱剤にどういう効果がありどういう時に飲むべきなのか、しっかり知っておきましょう。 場合によっては飲まない方が良いこともあるんですよ。
市販の風邪薬は風邪を治さない
風邪薬はせきや鼻水などの風邪の症状を抑える効果があり、辛い時に飲むと楽になります。 しかし実は市販の風邪薬には風邪そのものを治す効果はなく、風邪の諸症状を抑えているに過ぎません。
次に抗生物質ですが、実はこれ細菌を倒すための薬であってウイルスを倒すためのものではありません。 風邪のほとんどがウイルス性のものであるため、風邪に抗生物質は効かないのです。 風邪に抗生物質が処方されることがありますが、これは風邪を治すためのものではなく風邪によって弱った体に細菌が取り付いて感染症を起こすのを防ぐためのものです。
ウイルスを倒す薬は「抗ウイルス薬」と言います。抗インフルエンザウイルス剤のタミフルなどが有名ですね。 しかし風邪は色々なウイルスが作用している病気で、特定のウイルスを倒すための抗ウイルス薬は効きにくいです。 また副作用がアレルギーが出るものもあるため、強力なものは安易に使えない場合が多いです。
風邪を治すのは基本的に体の免疫機能です。 清潔にしてしっかり栄養補給したっぷり休息することこそが風邪を治す一番の薬なのです。
解熱しない方が良い場合
風邪をひいているかの判断基準に発熱しているかどうかがあります。 平熱より高ければ風邪をひいている、そこから平熱に戻れば風邪は治ったと判断しますよね。
この判断は間違っていないのですが、発熱すること自体が悪い訳ではありません。 あくまで悪いのは菌やウイルスであり、発熱はそれらと戦うために免疫力を強くし酵素を活性化させるために体が起こしている作用です。
だから軽い発熱で解熱剤を飲むのはむしろ体のためになっていません。 薬で平熱に戻したとしても体内では依然として多くの菌やウイルスが暴れまわっている状態です。 だから基本的に発熱が自然に収まるのを待った方が良いです。
ただし発熱状態ではだるさを感じて食欲が出ず栄養補給できない・眠れないなどの悪影響もありますし、あまりに高熱になると激しく消耗して命の危険もあります。 そういった時には無理せず解熱剤を使った方が良いです。特に体力のない人は早めに飲んだ方が良いでしょう。
熱が収まっても依然としてウイルスは体内にいる
ある程度症状が緩和されて風邪が治ったと思っても、平常時と比べると体内はウイルスだらけです。 その状態で外に出れば周囲に菌やウイルスをばら撒き、人に風邪をうつしてしまうことになります。
特にインフルエンザなどの感染力が高いウイルスは少数でも発症できるだけの感染力を持っているため、病み上がりの人には注意が必要です。 治ったと思ってもも1~2日は外に出ず自宅で静養すべきでしょう。
インフルエンザにかかったのに熱がひいたらすぐ出てくる人がいますが、率直に言って周囲のためになっていません。 インフルエンザが大流行するのは風邪のひきはじめや病み上がりに無理して外に出た人が保有している菌をばら撒いているのが要因です。 少しでも体調が悪いと感じたらすぐに休みましょう。