歯磨きと口臭対策
良い歯の状態を維持するには、しっかりした歯磨きが必要です。 しかし歯磨きはただガシガシとすればいいというものではなく、間違った歯磨きはむしろ歯をすり減らしてしまうこともあります。
健康な歯を維持するにはどうすれば良いかを知っておきましょう。
歯磨きのタイミングと方法
歯の健康には歯磨きが欠かせません。 毎日正しい歯磨きを心がけましょう。
歯磨きは食後30分後が理想
歯磨きの目的は虫歯の原因となる菌と繁殖する原因となる糖などのカスを洗い流すことなので、歯磨きするタイミングは食前よりも食後がいいです。
雑菌が最も多い起床後は最も歯磨きすべきタイミングではありますが、すぐに朝食をとるから二度手間になります。 時間的にもそうずれはないでしょうから、朝食後に磨けばよいです。
しかし食後すぐに歯磨きをしてはいけません。これは酸で溶けかかっている歯を痛めることに繋がります。 また食後30分は歯が脱灰と再石灰化している時であり、この時間帯の歯磨きはむしろ再石灰化を阻害してしまいます。 なので歯磨きは食事の後30分ほど時間を置いてからしましょう。
就寝中は唾液の分泌が少なくなり口内に雑菌が繁殖するため、就寝前に歯をしっかり磨いておくべきです。 夕食後に歯を磨いてあとは何も食べないのが理想ですが、もしお菓子を食べたり牛乳や糖分を含むジュースを飲んだりしたら再度歯磨きした方が良いでしょう。
食後に歯磨きといっても、学校・仕事や時間的な問題などで難しいこともあります。 そんな時にはうがいをしましょう。歯磨きには劣りますがしないよりは大分マシです。 歯磨きガムを食べるのもいいかもしれませんね。
食事の30分後の歯磨きを心がけましょう。
最低でも朝晩はしっかり歯磨きする
忙しいとついつい歯磨きをサボってしまいがちになります。 しかし最低でも朝晩の歯磨きは欠かすべきではありません。
唾液には口内の雑菌を抑制して口内環境を整える効果があります。 普通に過ごしているだけで唾液は分泌されますが、睡眠中は分泌量が少なくなります。
睡眠中は口内菌にとって増殖するチャンスであり、歯磨きをしないまま寝るとただでさえ多い雑菌が増殖して暴れまわります。 またしっかり歯磨きをして寝たとしても、起きた後の口内は1日で一番雑菌の多い状態になります。
どれだけ忙しくても朝晩はしっかりと歯磨きをしましょう。
フッ素を含んだ歯磨き粉を使う
フッ素には歯が虫歯になるのを抑え歯の再石灰化を促す作用があります。 イギリスなどでは国民の虫歯を抑えるために水道水にフッ素を含めているほどです。
歯磨き粉を選ぶ際にはフッ素が配合されているものを選びましょう。
あまり力を込めて磨かない
歯を磨くときに力を込めてガシガシ磨くと口内は綺麗になりますが、これは危険だからやめましょう。 綺麗に磨けはしますが、歯がすり減り歯茎が後退してしまい、長期的に歯抜けや知覚過敏に繋がります。
歯磨きにかける力の目安は50gで、これはほとんど力を入れていないような状態です。 3分程度を目安になるべく優しく丁寧に表面のカスを落とすことを意識して磨きましょう。
歯ブラシは毛先が開いてきたら交換しましょう。くたびれた歯ブラシでは奥まった場所まで磨くのが難しくなります。
また歯ブラシだけでは歯と歯の間の歯垢をきっちり取るのは難しく、しっかり歯磨きしている方でも汚れが残ります。 晩の歯磨きの後に歯間ブラシで歯垢をきっちり落としておくのが良いでしょう。
歯磨き粉の成分を口内に残すことを心がける
歯磨きの後は当然うがいして口内の歯磨き粉を洗い流します。 口の中に歯磨き粉が残っていたら気持ち悪いので何度もうがいして丁寧に洗い流す人がいますが、しかし実はあまりうがいしない方が良いです。 歯磨き粉の成分には虫歯の抑制成分が含まれているので、できるだけ口内に残していた方が良いのです。
歯ブラシは水で濡らさずに歯磨き粉を点けましょう。濡らすと泡立ってしっかり洗い流さないと気になってしまいます。 磨いた後は水を一杯だけ使って口内をゆすぎましょう。ちょっと気持ち悪い気もしますが、歯磨きガムを食べた感じと思って下さい。
色々書きましたが、これぐらい気をつければ大分虫歯を減らすことができるのではないでしょうか。 歯が悪くなると食事を楽しむことが難しくなったり、健康に悪影響を及ぼしたりします。 加齢などにより健康な歯を維持することがだんだん難しくなっていきますが、正しい手入れでなるべく長く健康な歯を残しましょう。
口内の健康を守るためにやるべきこと
だらだら物を食べない
物を食べている時、口内は今食べているものに近いPHになります。 食べ物の多くは酸性であり、食中・食後の口内は大抵が酸性に傾いています。
口内が酸性になるのは歯にとって良い事ではありません。 歯はとても固いですが、酸によって歯が僅かながらも溶けてしまうのです。
食後30分ほどかけて口内の酸は唾液によって中性に近づいていきます。 つまり物をだらだら食べ続けていては、口内が酸性のまま保たれて歯も溶かされ続けます。 食事やおやつは時間を決めて食べ、口の中に何も入れない時間を意識して作りましょう。
特に柑橘類や梅干し、オレンジジュースやコーラ、ワインをはじめとしたアルコール類などの酸性食品を食べた時は意識して口内環境を中性に戻すよう心がけましょう。 酸性が強い物を食べた時ほど口内も強い酸性になるので、この類のものを長時間食べるのは歯に危険です。 ホワイトニングのためにレモンを口に入れっぱなしにするなんて話がありますが、歯は白くなっても酸で溶けてボロボロになります。
また飴やガムなどの甘いものを長時間口に入れ続けるのも控えた方が良いです。
唾液の分泌を活発にする
唾液には口内環境を整える効果があり、殺菌、歯の再石灰化、口臭を抑えるなど口内環境を整える様々な効果があります。
なので唾液の分泌量が減る「ドライマウス」になると口内と歯の健康バランスが一気に崩れます。 唾液を沢山出すように心がけましょう。
唾液は物を噛んだり舌を動かした時に分泌されます。 歯の裏をちょっと舐めるだけでも唾液が出るのが分かりますよね。 ご飯はよく噛んで食べ、暇な時にでも舌を動かしてみるのがいいでしょう。
また唾液はリラックスしている状態でよく分泌されます。 少し椅子に腰かけてゆっくりしたり、お風呂でぼーっとしてみたりなど生活の中でリラックスする時間を作りましょう。
虫歯を作らない
虫歯は一度できてしまうと治療しても虫歯になりやすくなってしまいます。 詰め物との隙間が虫歯になったり、歯のかみ合わせが悪くなって周囲の歯にまで悪影響を及ぼしたりします。
最初の虫歯を作らない、作ってしまったとしてもなるべく軽い症状で抑えることが重要です。 自分では中々気づきにくいので、歯医者さんや歯科検診などで定期的に確認してもらうことが大事です。
自分から定期健診には行かず、歯に異常を感じてから歯医者さんへ向かう人が多いです。 しかし歯が痛むほどの虫歯は治療が必要なほどにひどい状態で、外科的な治療が必要になる場合がほとんどです。
それよりも3か月に一度など定期的に歯医者さんへ通い、口内環境を整えたり虫歯がないかチェックてもらった方がいいでしょう。 長期的に見れば虫歯を作って治療するよりは医療費を結果的に安く抑えることができます。