カブトガニ|2億年前から変わらぬ姿の生きた化石
名称(学名) | カブトガニ (Tachypleus tridentatus) |
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身体 | 体長:50~85cm |
生息地 | 東南アジア~東アジアの沿岸部 |
食性 | 雑食で魚介類や海藻を食べる |
カブトガニの特徴
カブトガニはまるで兜を被っているかのような甲羅が名前の由来です。 名前にカニとありますが、見た目はカニっぽくてもカニとはあまり近い関係ではありません。
ついでに言うと似た姿をした動物にカブトエビというのがいますが、あちらはカニの仲間です。 つまりカブトガニとカブトエビは見た目似ていますが、種としてはそこまで近くはありません。
昔からほとんど進化していない、いわゆる「生きている化石」であり、なんと2億年前からほとんど進化していません。 2億年前なんて我々の祖先がネズミのような姿で卵を産んでいた頃の話ですが、その頃からほとんど変わらぬ姿で生きてるのです。
普段は甲羅を上に向けていますが、泳ぐ時はひっくり返って背泳ぎをします。 動物がひっくり返るのは弱っている時や死んだ時が多いのですが、カブトガニにとっては至って普通のことなのです。
またカブトガニは血液を医療に利用されています。 毒素に大して敏感に反応し、ガンなどの早期発見に役立っています。 またエイズウイルスを抑制する効果も見られ、今後の実用化が期待されています。
環境破壊や汚染などで生息域を減らして絶滅危惧Ⅰ類に指定され、地域によっては絶滅の恐れもあります。 現在、天然記念物指定や幼生の放流などの保護活動が行われていますが、予断を許さない状況です。
カブトガニの生態
生息地
東アジア~東南アジアの沿岸部に生息しています。 暖かい時期は干潟で生活し、寒くなると9~10月頃に沖に出て冬眠します。
呼吸は水中で行いますが、陸上でもエラが湿っていれば呼吸が可能です。 陸上でも呼吸ができれば1~2週間ぐらいは生存できるようですよ。
普段の生活
日中は干拓で休み、満潮時の夜に採食します。
肉食寄りの雑食で、魚介類や海藻などを食べます。 目があまりよくないため、動いていないものはあまり認識できないようです。
繁殖と成長
卵生で夏頃に繁殖期を迎えます。 満潮時に砂浜に穴を掘って1度に500個もの卵を産み、さらに少し移動してまた産卵してを繰り返します。 多い時には1シーズンで数千個もの卵を産むことになります。
子は卵の中で脱皮を繰り返して大きくなり、6週間ほどで卵が孵化します。 その後も毎年脱皮しながら成長し、15年ほどで成熟します。 寿命は25年ほどです。