アホウドリ|アホでノロマだから付けられた名前です

phoebastria-albatrus
名称(学名)アホウドリ (Phoebastria albatrus)
身体体長:84~100cm / 翼開長:2~3m / 体重:3~5kg
生息地夏季はベーリング海やアラスカ湾、アリューシャン列島
冬季は日本近海の孤島
食性肉食で魚、甲殻類、イカなどを食べる

アホウドリの特徴

phoebastria-albatrus

地上では人間でも簡単に捕まえられるほどノロマな鳥で、アホなトリ転じてアホウドリなんて不名誉な名前で呼ばれています。 空中では便利な巨大な翼が地上では仇となり、うまくバランスが取れず機敏に動けないのです。

なので子育てをするコロニーは敵に襲われにくい孤島などに作るのですが、そこを人に襲われてしまったのです。

昔は沢山いましたが人間の乱獲によってかなり数を減らしてしまいました。 日本近海のアホウドリは一度は絶滅したと思わましたが、少数ながら見つかって保護活動が始まりました。 天然記念物に指定され、今では少しずつ数を増やしているようです。

翼開張は鳥類で最大!

空を飛べる鳥としては非常に大きく、特に翼開張は2m~3m以上にも及び鳥類で最大です。 体重も鳥類としてはかなり重い部類で、中には10kg近いものもいます。 この重さで空を飛べるのはすごい事です。

一旦飛び立てば巨大な翼で風をうけて滑空するため、少ない羽ばたきで遠くまで行けます。 アホウドリの英名を「アルバトロス」といいますが、これはゴルフで凄いスコアでホールを終えた時の打数です。 アホウドリが長距離を悠遊と飛ぶことができることから名付けられたんですよ。

アホウドリの生態

生息地

夏季はベーリング海やアラスカ湾、アリューシャン列島などの寒めの場所にいます。

寒い冬になると日本近海へ南下して繁殖活動を行います。 普段は陸上にいないアホウドリも繁殖の時期には島に集まって集団でコロニーを作ります。

普段の生活

夏の間はずっと北太平洋の洋上にいて、海上で休むか空を飛んでいます。

海水を飲み水にできるので、真水がなくても海水があれば平気です。 余分な塩分はクチバシにある塩類腺という器官で血液中の塩分をろ過し、鼻水として出すことができます。

繁殖と成長

1年に1つの卵を夫婦で世話して半年ぐらい子育てした後、子が飛べるようになったらまた北へ旅立ちます。 子は5~7年で成熟しますが、これは野生動物としてはかなり成長速度がゆっくりしています。 寿命も30年以上と長寿です。

鳥は沢山の卵を産み育て、子も翌年には成熟し卵を産む種が多いです。 多少死んでもそれ以上に生んで生き残る設計になっています。

しかしアホウドリは少ない子を大切にゆっくり育てます。 これは高い生存率に裏付けされた生存戦略なのです。 しかし反面繁殖力に難があるとも言え、一旦数を減らすと中々元には戻りません。 天然記念物となり保護されてもなかなか数が増えないのにはそんな事情があるのです。

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