ゾウ|長い鼻を持つ、陸上最大最強動物
ゾウは長い鼻と大きな耳と巨大な体が特徴的な動物です。 陸上動物では最大サイズであり、次点のサイと比べてもその大きさが際立っています。
その巨体を維持するために個性的な特徴を備えており、どこか愛らしく人気の高い動物です。 でも実際は強くて狂暴であり、動物園ではライオン並みに危険な動物だったりもします。
ゾウの特徴
長い鼻
ゾウといえば長い鼻が特徴的です。 これは鼻と上唇が一体化した筋肉の塊で、中に骨はありません。
1t以上の重いものを持ち上げたり、水を鼻に吸い込んで口まで運んだり、先端の突起でピーナッツを割らずに掴んだり、争いの際に叩きつけたりと様々な用途に使います。 嗅覚にも優れており、その性能は犬の鼻よりも上と言われています。
ゾウの鼻は日々消耗するエネルギーを抑えるために長くなったと考えられています。 ゾウのような巨体では少し動くだけで莫大なエネルギーを消費するので、長い鼻だけで飲み食いしてエネルギー消費を抑えているのです。
大きな耳
ゾウはとても大きな耳を持ちます。 これは体温調節するためのものです。
ゾウは暑く水の少ない地域に住んでおり、少ない水分で体温調節する必要があります。 ゾウの耳には毛細血管が張り巡らされており、これをバタバタすることで放熱しているのです。
聴力にも優れており、数十キロ先の音や人間には聞こえない低音を聞き取ることができます。
陸上最大最強の動物
ゾウは陸上最大の動物です。 特に大きなアフリカゾウは大型のものになると体長7.5m、体高4m、体重10tにも及び、ゾウの次に大きいとされるサイ科と比べて2倍以上の体重を持ちます。
陸上最強の動物とも言われ、ライオンやトラですら成体のゾウには手を出せません。 ライオンが子ゾウに襲い掛かって、怒った母ゾウに踏みつぶされて死ぬことすらあります。 実は動物園で一番危険なのもゾウです。
この巨体を維持するために1日の多くを食事に費やします。 大量のエサと水が必要なため、睡眠時間は短く、広い範囲を移動しなければなりません。 ゾウの鼻が長くなったのもそんな事情と思われます。
人間に聞こえない鳴き声を出している
ゾウの鳴き声と言えば「パオーン」ですが、あれは鼻から出しているラッパ音です。 他にも口から超低周波音(人間には聞こえない)を出しています。
ゾウの生態
暑い日中は木陰で休み、朝夕の涼しい時間に広い範囲で採食します。 草食ですが巨大な体を保つために100kg以上の食べ物が必要で、草、葉、樹皮、根、果実など様々な植物を食べます。
母ゾウとその子どもを中心とした家族単位の群れで生活します。 10~15年ほどで成熟すると、オスは群れを出て単独で活動するようになります。
寿命は60年ほどです。
ゾウの仲間
アフリカゾウ
アフリカの草原や森林に生息します。 巨大な耳、長い牙、平たい頭、しなった背中が特徴です。
世界最大・最強の陸上動物で、産まれたばかりの子どもですら体重が100kgあり、成体は一日に200kg以上もの食事をします。 性格は荒っぽくライオンだろうがトラだろうがお構いなしに踏みつけます。
アジアゾウ
アジア諸国の一部森林地帯に生息します。 小さい耳、短い牙、山形の頭、丸い背中が特徴です。メスはキバがないこともあります。
体の大きさはアフリカゾウほどではありませんが、それでも他の動物の追随を許しません。
アフリカゾウに比べて気性が柔和で、家畜として飼われることもあり荷物運びとして重宝されています。 サーカスのゾウも温和で飼育しやすいアジアゾウであることが多いです。
マルミミゾウ
アフリカの熱帯雨林に生息します。 やや小柄で丸い耳が特徴です。
障害物の多い森林で活動するため、小柄に進化したと考えられています。