世界一周すると航海日誌と日付が一日ずれる

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あなたは1月1日から365日かけて船で世界一周しました。 毎日欠かさず日没に航海日誌を付け、日誌の日付が丁度翌年の1月1日に元の港に戻ってきました。

家に戻ってきたところ、航海日誌と家の日付に1日のズレが発生していることに気付きました。 さて、日付がズレたのはなぜでしょう?

答えは「日付変更線を超えたから」または「地球が自転しているから」ですね。 航海日誌を付けたタイミングである日没の回数は、世界一周すればズレてしまうのです。

世界一周すると日付が1日ずれる

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地球上の一地点から経度が15°進むごとに1時間の時差が発生し、世界一周の360°で24時間ズレます。 太陽の運行を基準として日付を付けていると世界一周すれば実際の暦と1日ずれることになり、前述の例なら現地の暦は東回りなら1月2日、西回りなら12月31日になっています。

現代では常識的な知識ですし、知らなくても少し考えれば分かることではあります。 しかし大昔の人はどうでしょうか?この話に関してマゼラン艦隊の逸話があります。

世界一周したマゼランの船団と1日ずれた航海日誌

世界で最初に世界一周を成し遂げたのはマゼランの船団です。 5隻の艦隊に270名を乗せてスペインから旅立ったマゼラン艦隊は、長い航海の中で船と乗員を減らし、マゼラン自身も途中で原住民との戦いにより命を落としました。 ボロボロになりながらも航海を続け、1隻の船と18人の乗組員たちは見事世界一周を果たしました。

スペインから西回りで世界一周を果たした一行でしたが、しかしスペインに到着する直前に寄ったヴェルデ岬において、航海日誌と現地の曜日が食い違っていることを知ります。 つまり日付が1日ずれていた訳で、それを知った船員はとても驚いたそうです。

これは当時認められていなかった地動説の証拠であり、また他にも地動説を裏付ける現象はいくつも見られていました。 しかし地動説は広くは認められず、この100年後にも地動説を唱えたガリレオが捕まったりしています。

世界一周により地球が丸いことは広く認められましたが、地動説が広く認められるのはまだ先のお話です。

日付変更線を利用した物語

日付変更線をまたぐと日付がズレるトリックを利用した物語も書かれています。 八十日間世界一周やゴルゴ13などが有名ですかね。

ネタバレになりそう(なってる)なので詳しくは言いませんが、八十日間世界一周は名作なのでぜひ一度目を通してみて欲しいです。

日付変更線と時差

international date line

日付変更線

世界就航が頻繁になると日付のずれが問題になり、どうにか解消しようとなりました。 そこで1883年の万国子午線会議にて、イギリスのグリニッジ天文台を通る子午線を本初子午線とし、本初子午線の地球の真裏の経度180度地点を日付変更線と設定することにしました。 日付変更線を西から東にまたぐ時は日付を1日戻す、東から西に跨ぐ場合は日付を1日増やすことで日付のズレを解消することになったのです。

日付変更線は人が沢山往来する場所に設定するとややこしくなるので、誰も住んでいない太平洋のど真ん中に設定されました。 ただし直線ではなく、国や交易の都合で若干カクカクしています。

もし日付変更線が国内にあると、住む場所によって日付がずれてしまいます。 自分の住む町と隣町で日付が違うなんてことになったら不便ですよね。 だから日付変更線は陸地を避け海上を通るように引かれてします。

また交易の都合で変えられることもあります。 日付変更線をまたいだ国との交易は、互いの休日のズレにより少なくなる傾向があります。 だから貿易相手国と同じ側にいた方が都合が良く、サモアはこれまで2度も日付と日付変更線の位置を変えています。

時差

経度がずれることで時差が発生することはかなり昔から分かっていました。 しかし昔は遠い距離を移動するのに膨大な時間がかかり、多少の時差はあまり問題になりませんでした。 だから時差の運用を始めたのは日付変更線の誕生よりも後の話です。

1911年にパリで開催された天文学者会議にて、英国グリニッジの地方平均時をグリニッジ標準時とすることが決定されます。 その後グリニッジ標準時をより正確に定義した協定世界時が世界標準に採用されましたが、まあ意味はほとんど同じです。

時差はグリニッジとどれだけ離れているかで決まり、経度が1°ズレるごとに4分、15°ズレるごとに1時間の時差が発生します。 実際に各国が使用している標準時はイギリスとの時差を1時間単位で調整していることが多いです。 あまり細かく設定しても混乱するだけですからね。

標準時も人の都合によってカクカクと曲がっており、国内は一つの標準時で済ませてしまう国も珍しくありません。 例えば中国は世界有数の国土の広さを誇っていますが標準時はひとつだけです。

ちなみに世界一標準時が多い国はロシアで11もの標準時を持っています。 中国に輪をかけて広い国土なので流石に一つの標準時では運用が難しそうですが、11個もあるとそれはそれで面倒くさそうですね。

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