「三角食べ」と「ばっかり食べ」の特徴とメリット・デメリット
食事の食べ進め方は大きく分けて二種類あります。 全ての品をバランスよく食べする「三角食べ」と、一品ずつ順に食べ進める「ばっかり食べ」です。
どちらが良いかは状況次第ですが、メリットもデメリットも違います。 二つの食べ方の違いを知り、二種のスタイルを上手く使い分けましょう。
三角食べ
三角食べは主食・主菜・副菜・汁物・飲み物など各種を同時にバランスよく食べていく方法です。 食べる順序は特に決まっておらず、バランスだけ気を付けて気の向くままに食べ進めます。
1970~2000年頃には三角食べが推奨されており学校などでも指導もされていました。 しかし現在は推奨・指導されることはなくなり、三角食べを知らない人も増えています。(非推奨という訳ではありません)
口内調味で食を楽しめる
三角食べの最大の特徴が、口の中で色々な食べ物を組み合わせる「口内調味」です。 同時に複数の品を口に入れ、自分好みの味にして食べるスタイルです。
特に日本のおかずはご飯と一緒に口内調味する前提での濃いめの味付けがされていることが多いです。 色々な品を組み合わせて味を変化させていく食事は、美味しく楽しく飽きることがありません。
美味しいものはより美味しく、マズいものは少しでもマシな味になるよう、工夫して口内調味を行いましょう。 嫌いなものを水分で流し込むのも、ある意味で口内調味なのでしょうか。
偏食を防ぎ栄養バランスをとりやすい
三角食べは色々なおかずを並行して食べるので、嫌いなものや食指が向かないものでも口に入りやすいです。 食事の途中で残すことになっても、満遍なく残るため栄養バランスが偏りません。
好き嫌いや偏食が激しい子どもは、好きなものだけ食べて嫌いなものは残すなんてことをしがちです。 そんな子には三角食べでの指導が効果的でしょう。
ばっかり食べ
ばっかり食べは副菜・汁物・主菜・主食・飲み物など各種を順に一つずつ食べていく方法です。「片付け食い」「一丁食い」とも言われます。
懐石料理やコース料理などの一品ずつ順に料理が提供されるスタイルを想像して貰えば分かりやすいですね。 そんな感じで一品ずつ食べていくのがばっかり食べです。
血糖値が上がりにくい
食事から得た栄養で血糖値が上昇しますが、急激な上昇は好ましくありません。 インスリンの過剰分泌によって太りやすくなったり、血管の損傷を招いたりして、健康を損ないます。
血糖値は食事を食べる順番を工夫すると上昇速度を緩やかにできます。 大よその指針として「糖質の吸収を抑える野菜」→「糖に変わりにくい肉や魚」→「炭水化物」の順で食べれば良いです。
なおばっかり食べで炭水化物から食べると血糖値を急上昇させることになります。 炭水化物はなるべく後ろに回すことを心がけましょう。
MEMO
マカロニサラダやポテトサラダはサラダという名の炭水化物です。 最初に食べるのは避けましょう。
よく噛んで食べるようになる
汁物やスープと並行して食べると、よく噛まずに水分で流し込んでしまいがちになります。 しかしばっかり食べならばそうはならないため、よく噛んで食べる習慣が身に付きます。
よく噛んで食べることには、消化吸収を助ける、肥満防止、虫歯予防、あごの発達などの様々な良い効果があります。 ばっかり食べの時に限らず、よく噛んで食べましょう。
味が混ざらない
ばっかり食べはその一品の味だけを楽しむことができます。
三角食べをしていると箸やフォークを経由して食材の味や水気が移り、気付かないうちに料理の味を損なう場合があります。 しかしばっかり食べならこの心配はありません。
またコース料理は一品で完結する味付けがされいるため口内調味の必要はありません。 他の料理と並行して食べるとむしろ味を損なってしまいます。
また口内調味が気持ち悪い・やりたくないという人も一定数存在します。 そういう人にとっては、ばっかり食べが当たり前なのかもしれません。
食べ残しに繋がる可能性
ばっかり食べで嫌いなものや食指が向かないものが後回しになった場合、そのまま食べ残しになる場合が多いです。 特に好き嫌いの激しい人子どもはその傾向が強いです。
あまりに食べ残しが多くなるようなら、料理や食べ方を工夫する必要があるでしょう。 三角食べを試してみるのも良いかもしれません。
三角食べ・ばっかり食べを上手く組み合わせよう
三角食べとばっかり食べは、単純にどちらが優れているというものではありません。 なので状況に合わせて上手く使い分けるのが良いです。
また双方を組み合わせたハイブリッド型もおすすめです。 例えば口内調理を楽しみたいけど血糖値や脂肪が気になるなんて場合は、主食と相性の良いおかずを少量後ろに回したり、最初にサラダだけばっかり食べして残りは三角食べするのも良いです。
それぞれの特性が分かっていれば、何をどう組み合わせれば良いかは自ずと分かります。 料理の味付け、楽しみ方、健康、食べ残し対策などを考慮して、状況に適した食べ方を選択しましょう。