「ウサギはさみしいと死ぬ」はデマだけど、そう言われる理由はある
「ウサギはさみしいと死ぬ」というのはよく聞く話です。 私は小学生の頃にこの話を聞きましたが「じゃあ学校で何年も1羽飼いしてるウサギは何なんだ」と子供心に思ったものです。
ウサギはさみしくても死にません。 しかしこの話が全く根も葉もないか話なのかと言うと、そうは言い切れない事情があったりもします。
ウサギはさみしくても死なないが、放置すると死ぬ
ウサギは大まかに分けてノウサギとアナウサギの2種がいます。 ノウサギは野山を駆けまわるウサギで基本的に単独で生活しているのに対し、アナウサギは地面に掘った穴の中を巣として群れで生活しています。 これらは同じウサギでも結構生態が違います。
ペットとして飼われているのは基本的にアナウサギであり、本来は群れで生活する習性をしています。 だからペットのウサギは単独飼いをさみしさを感じている可能性はありますが、しかしそれでただちに死ぬわけではありません。
「ウサギはさみしいと死ぬ」は間違いですが、完全に無根拠で的外れな話とは言い切れません。 そう思わせるような死因があるのです。
ウサギは絶食すると危険
ウサギを飼っている家にて、旅行で数日家を空けて帰ってきたらウサギが死んでいたとはよくある話です。
人の感覚からすれば、食事を十分に用意すれば良いように思えます。 もしエサを食べきってしまっても、少しすれば飼い主が帰ってくるので問題ではないと考える人は多いでしょう。
多くのペットはそれで問題ありませんが、しかしウサギの場合は少し事情が違います。 ウサギは定期的に食事をしていないと、死んでしまう恐れがあるのです。
ウサギは常に腸を動かして体調を整えています。 食事を取らないと腸の活動が止まって細菌が繁殖し、ほどなくして毒素で死にます。 半日食事しないだけで問題になり、1日食事をしなければ病気になったり命を失う危険もあります。
旅行中にウサギのエサが尽きたり、飼い主がいないストレスで食事を控えたりすると、それがウサギの命の危険に繋がるのです。 この人の感覚とウサギの習性のギャップが「ウサギはさみしいと死ぬ」と言われれるようになった原因のように思います。
ウサギを飼う予定のある方は覚えておきましょう。
アルパカもさみしいと死ぬ?
アルパカもさみしいと死ぬ動物と言われています。 孤独にさせていると、体が弱くなったり病気になったりするそうです。
このように一人で不安を感じる傾向は、群れで生活する動物によく見られます。 本能的に孤独でいることにストレスを感じるからこそ、群れを作ろうとするんですね。
アルパカを輸送する際などは、常に複数のアルパカを一緒に行動させて不安を和らげるそうです。
人もさみしいと死ぬ?
人も群れで生活する動物なので、さみしいと感じる状態はストレスに繋がります。
この辺は個人差もあるので客観的に判断するのは難しいです。 数年間ほとんど一人で過ごしていても全く問題ない人もいれば、ほんの数時間一人でいるだけで不安に押しつぶされるような人もいます。
ただ客観的にはともかく、自分が「さみしい」と感じるような状態はマズイです。 さみしさはストレスとなり、意欲や体力の低下につながり、大げさに言うと死ぬことすらあるのかもしれません。
「さみしい」という感情は、他者との交流やふれあいを求めている時に生まれるものです。 もしあなたが「さみしい」と思うのであれば、さみしさを解消できる関係を求めた方が良いかもしれません。