キーボードは便座より細菌やウイルスが多い!でも健康被害は別の話
昨今「キーボードは便座よりも汚い」と叫ばれるようになりました。 キーボードに限らず「実はこれもこんなに汚い!」など、意外なものが実は…のように言われています。
しかし考えてみて欲しいのですが、そもそも「汚い」とは何を以って言われているかは理解しているでしょうか? 確かにある尺度で計るとキーボードは便座よりも汚いのかもしれませんが、それが正しく「汚い」のかは別の話なのです。
記事では汚い=細菌やウイルスの数であることが多い
よく「キーボードはトイレの便座の10倍汚い」のような論調で注意喚起されます。 しかし10倍汚いと言われても汚れは目に見えないし、何がどう10倍なのかよく分かりませんよね。
こういった記事をよく読んで見ると、「細菌やウイルスの数」を汚さの基準としていることが多いようでした。 「キーボードにはトイレの便座の10倍もの細菌やウイルスが住んでいるから10倍汚い」という論法です。
それではトイレの便座とキーボードを触る場合、キーボードを触った時の方が10倍健康被害が出るのかと言えばそれは違います。 一口に細菌と言っても、有害なものから無害なものまで色々いるからです。
仮に細菌の数が1万倍であっても、それらが無害な細菌であれば問題にはなりません。 人間の体には100兆個もの細菌が付いていますが、おおよそ差しさわりなく日常生活を送れていますよね。
キーボードは便座と比べて細菌の数は10倍かもしれませんが、人に健康被害を10倍与えるという訳ではないのです。 重要なのはそこにどれだけ危険な菌が紛れているかです。
キーボードより便座の方がヤバい
キーボードには危険な菌はそれほど多くありません。 まあ衛生状態が壊滅的であればヤバい菌も沢山住み着くようになりますが、普通に手入れをしていれば危険な菌の割合は多くありません。
対して便座には「大腸菌」がたくさん生息しています。大腸菌も全てが有害という訳ではないのですが、危険な菌の割合はキーボードよりも多いです。 つまり便座は菌の総数はキーボードより少ないかもしれませんが、健康被害が出るようなヤバい菌の割合が多い可能性が高いのです。
大腸菌にはサルモネラ菌などの性質の悪い菌もいますし、また腸内では無害でも他の場所では有害な作用を起こすものもいます。 そういった危険な菌が粘膜や傷口などから入ってくると感染症や中毒症状を引き起こしたりします。 いくらキーボードより菌の総数が少なくても、危険な菌が沢山いたのでは意味がありません。
そんな訳で「単純に細菌やウイルスの数が多ければ健康被害が多くなる訳ではない」という話でした。 重要なのは「危険な菌がどれだけいるか」です。
ただし細菌やウイルスが多くなればそれだけ危険な菌が増える可能性も大きくなります。 件の便座の10倍汚いキーボードからはサルモネラ菌が検出され健康被害が起きる可能性危ありと診断されたものもあります。 こうなってしまうと便座と危険度は変わらないので、ちゃんと定期的に掃除しましょうね。