シクラメンの和名は「豚饅頭(ブタノマンジュウ)」
「豚饅頭」と書いてあると「肉まんのことかな?」と思いますよね。 でもこれ「シクラメン」の和名なんです。
シクラメンは園芸用の花として売られている花で、特に見た目ブタのようも饅頭のようにも見えません。 なぜこんな名前が付けられたのかと言えば、豚が球根を好んで食べたからなんです。
ブタノマンジュウの由来
シクラメンの和名「ブタノマンジュウ」の由来は16世紀ごろにさかのぼります。 「イギリス植物学の父」とも呼ばれる博物学者ウィリアム・ターナーは、庭に放し飼いにしていた豚がよく丸いシクラメンの球根を食べることにちなんで、シクラメンを「sowsbread(豚のパン)」と名付けました。 そして日本にシクラメンが伝来した明治時代、植物学者の牧野富太郎がsowsbreadを直訳して名付けたことによりシクラメンの和名が「豚饅頭(ブタノマンジュウ)」となりました。
シクラメンの和名は他にも貴婦人が「まるでかがり火のよう」と評したことから「カガリビバナ」とも呼ばれ、ブタノマンジュウもカガリビバナもどちらもれっきとしたシクラメンの和名です。 ただ学名や英名はシクラメンであり、戦後はそちらで呼ばれるのが一般的になったようです。カガリビバナはともかくブタノマンジュウではありがたみが無くなってしまいますからね。
シクラメンの豆知識
日本で一般的に見られるシクラメンは園芸用に改良された品種です。 シクラメンの栽培は戦後から日本でも一般的なものになり、今では鉢植え植物の代表格になっています。
シクラメンの花言葉は「内気なはにかみ」で、やや下向きに花を付けます。 こうした姿はどこか奥ゆかしくあり、戦後に流行したのも日本人気質にウケたのからかもしれませんね。 またシクラメンは適当に育てても育つ手軽さ故の人気も高いです。
シクラメンは「シ(死)」や「ク(苦)」を連想するため、特に病人の見舞いに贈るのは縁起が悪いと言われています。 また微弱ながら毒性を持つためペットが食べるような位置に置くのはまずいので覚えておきましょう。
シクラメンはまた開花時期が10月~3月で、初冬から初春まで次々に花を咲かせます。 冬の色どりや新年のお祝いとして植えたり贈ったりするといいでしょう。 また母性愛の象徴とされているので、母親への贈り物として良いかもしれません。