最強の害虫ゴキブリのおどろきの生態と対処法
害虫と聞いて思い浮かべるのは何でしょうか。 蚊?シロアリ?私はやっぱりゴキブリですね。
こいつを家の中で見つけるととにかく嫌な気分になり、実害はそこまでないような気もしますがとにかく不快です。 敵を知れば100戦危うからず。ゴキブリの特性を知り、見つけた時には正しい対処をしましょう。
ゴキブリの特性
何でも食べる
ゴキブリの食性は広く何でもよく食べます。 食べ残し・生ごみ・ペットフードなどはもちろん、髪の毛・垢、油汚れ・石鹸、土・ホコリ、自分の糞、仲間の死体など、人間からすれば食べ物に見えないものだって食べます。
部屋を綺麗にしているつもりでもそれはあくまで人間目線であって、ゴキブリにとっては豊富なエサのある快適な場所に見えているかもしれません。 髪の毛一本で1か月生きていけるので、普通に暮らしている家に侵入されると飢え死にすることはまずないです。
高い身体能力
ゴキブリは垂直の壁だろうが天井だろうが壁をしっかり掴んで移動し、しかも異常に素早いです。 地面を最速で動いた場合は時速5kmほどのスピードで駆け抜けることが可能で、これはゴキブリが人間と同じ大きさだった場合は新幹線並みの速度と言われています。
これが文字通り縦横無尽に走り回るからスリッパ片手に追いかけまわしても中々倒せません。 しかも高い位置から飛ぶことまであるので、人間が追いかけて倒すのは中々大変です。
高い生命力
ゴキブリは生命力が強く、排水溝やゴミの中などの病原菌だらけの不潔な場所を拠点にできます。 水中での活動はできませんが少しの時間なら潜って通ることも可能です。
また首をちょん切っても胴にサブ脳があるため、しばらくの間は生きていくことが可能です。 しかもその場合の死因は餓死というなんかもう凄い生物ですね。
凄く増える
ゴキブリは仲間を増やす能力も凄まじいです。 集合フェロモンを持っており、自分がいる場所に「快適な場所だから君もおいでよ」とサインを出し周囲のゴキブリを集めます。 これは種を越えて集まってくるので、一匹でも家の中にいるとそこらじゅうから色々なゴキブリが集まってきます。
また繁殖力にも優れています。 一度交尾すれば精子を体内に蓄えておくことができるので、交尾済みであればメス一匹でも繁殖が可能です。 30~40個の卵が入った卵鞘を生涯で5回ほど産むので、そいつらが一度でも孵化すると家中がゴキブリだらけになってしまいます。
目に付かない
ゴキブリは普段我々の目につかない場所を好みます。 高さ1.5cmほどの狭い場所を好み、家具の裏や下、排水溝などの人の目に触れない場所に住んでいます。
だからゴキブリが一匹侵入したぐらいでは全然気付けず、見つけた頃にはそこら中にうじゃうじゃいて手遅れ状態になっていることが多いのです。
そんな超スペックの害虫・ゴキブリの侵入を完全に防ぐことはまず無理なのですが、それでもゴキブリが来やすい・繁殖しやすい家はあります。 次はゴキブリの対策を見てみましょう。
ゴキブリ対策
ゴキブリが来ない環境を整えよう
ゴキブリ対策で一番良いのは、そもそもゴキブリが来ない環境を選ぶことです。 ゴキブリは一旦入ってくると多少居心地が悪くても居つくことが多いですが、最初から居心地が悪い場所を選ぶ訳ではなく、やはりエサが豊富な場所を拠点に増えていくことが多いです。 具体的には自然が豊かな場所・飲食店・ゴミ集積所・不潔な住宅を拠点に広がっていきます。
なので周囲にゴキブリがいそうな場所から遠い物件を選びましょう。 ビルの五階以上は害虫が少ないというデータもあるので高階層に住むのも効果的です。
もちろん自分の家に生ごみなどを貯めず、常に綺麗にしておくのは基本です。 いくら周囲が綺麗でも、自分の家が汚くては本末転倒ですからね。
また自宅の対策として、ドアや排水溝の隙間をテープや金網などで物理的に閉じることが挙げられます。 ゴキブリはわずか2mmの隙間から侵入でき、排水溝などから上がってくることもできます。 そういった場所の隙間を塞ぐことである程度侵入を防ぐことができます。完全にとなると難しいですが、やらないよりはマシですね。
ゴキブリを見つけたら早めに対処しよう
ゴキブリは1匹入ってくると、仲間を呼んだり繁殖したりしてネズミ算式にというかネズミよりも早いサイクルで増えていきます。 だから見つけたら即座に対処しましょう。入ってきたばかりなら一匹退治するだけで解決することもあります。
最も基本的なのが直接攻撃です。 スリッパや丸めた新聞紙を使ったり殺虫剤を吹きかけたりして倒せれば万々歳です。 また生物相手なら問答無用で必殺になる熱湯や、呼吸穴を塞いで窒息させる洗剤なども効果的です。
しかしゴキブリには「1匹見たら50匹」という言葉があります。 見つけた1匹が最初の1匹ならいいですが、既に繁殖していた場合はいくら目についたものを倒しても根絶はできません。 そんな時には市販の道具に頼りましょう。
ゴキブリ対策の心強い味方
ゴキブリホイホイ
ゴキブリホイホイは侵入してきた最初の一匹を捕まえるのに効果的です。 あの中はゴキブリにとってかなり快適な空間のようで、ゴキブリの通りそうな場所に置いておくとよく掴まります。
ただしゴキブリホイホイには囮用のエサが設置してあり、外部のゴキブリがそれに呼び寄せられてしまうこともあるようです。 また一旦室内で繁殖されてしまうと全てのゴキブリをゴキブリホイホイで駆除しきるのは難しいです。
最初の一匹を捕まえて即処理するための道具と言えるので、室内でゴキブリを見かけたら設置しましょう。
ホウ酸団子
ホウ酸団子などの毒餌はある程度繁殖したゴキブリに対しても有効です。 しかし必ず根絶できるという訳ではなく、毒餌が広まるのには時間がかかります。
ただ毒餌はおいしそうな匂いを出しているので、外部のゴキブリが侵入する要因にもなります。 毒餌を食べていずれ死ぬでしょうが、死体を見つけてもあまりいい気はしませんよね。
またペットや小さいお子さんがいる場合は、誤って食べないように注意が必要です。 何日も設置しておく必要があるので、誤飲する危険があればそもそも設置しないほうが良いでしょう。
燻煙
一番おすすめなのはバルサンなどを使った燻煙で、煙が届く範囲にいるゴキブリは一網打尽にできます。 ただし卵には効かないので、燻煙した1~2週間後に卵から孵化したタイミングでもう一度燻煙するといいでしょう。
ゴキブリを見かけたらバルサンを焚いておけば大体解決します。 焚いた後はしばらく虫が寄り付かなくなる忌諱効果もあるのでお勧めです。
なおご近所さんが燻煙すると、そこから逃げてきた害虫がやってくることがあります。 なので近所の燻煙をあまり快く思わない人もいるので、ご近所さんには一声かけておきたいですね。 周りと同じタイミングで燻煙するとより効果的に駆除できるので覚えておきましょう。
ゴキブリはとても優秀な分解者でもある
一口にゴキブリと言っても、人家を住処にしているものはごくわずかです。 多くのゴキブリは野外で生活しているため、我々が普段目にするゴキブリは限られた種類のものだけです。 大半のゴキブリは森や山などの野生で生活しており、我々の側で生活しているのは全体のわずか1%です。
ゴキブリは肉・植物・糞・腐肉などとにかく何でも食べて消化できるため、分解者としてとても優秀です。 もしもゴキブリがこの世からいなくなれば、栄養がなかなか土に戻らず、木は枯れ大地が痩せ衰えてしまうかもしれません。 森林はゴキブリが作っているなんて言われているほどで、分解者として食物連鎖サイクルの中で重要な役割を担っています。
ゴキブリなんて不快な存在でしかないと考える人が沢山いますが、いなくなるとそれはそれで困ったことになるのです。 もっとも、我々の周りにいる奴に限ってはいなくなった方がいいかもしれませんが…