農家や漁師の年収は高い?年収と所得の違い

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職業を選ぶ最も大きな理由のひとつに年収があります。 職業に貴賤なしとは言いますが、お金は沢山貰えるに越したことはないですからね。

高年収と言えば医者や弁護士ですが誰でもなれる訳ではありません。 誰でもなれて沢山稼げる職業は…と探すと、農家や漁師の年収が割と良いことに気付きます。

しかしニュースなどでは従事者が右肩下がりと報道されています。仕事内容がきついからでしょうか? それもあるかもしれませんが、答えは農家や漁師は儲からないからです。 年収が高いのに儲からないのはおかしいと思いますか?

年収とは簡単に言えば売上のことであり、そこから経費を引いたものが実際の儲けになります。 経費を引く前ならそりゃ大金に見えますが、実際に残るのは半分以下であることも珍しくありません。

個人事業主は年収=所得ではない

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問題。あなたはサラリーマンで、今年は会社から500万円の給料を貰いました。さて年収はいくらでしょう?

答えは500万円です。当たり前ですね。

問題。あなたは農家で、今年は農作物の売上が500万円で、種・肥料・農機具・トラクター・ガソリンなど仕入や経費は合計400万円でした。さて年収はいくらでしょう?

500-400=100万円でしょうか?いいえ違います。答えは500万円です。

年収とは1年に入ってきたお金のことです。 前述の例はどちらも500万円入ってきているので、年収は同じ500万円です。 しかし前述の農家の年収はあなたの中の「年収」という言葉の意味通りのものでしょうか?多分違いますよね。

年収から仕入や経費を引いた額を所得と言います。 サラリーマンは仕入や経費にお金がかからないので「年収=所得」となります。 対して個人事業主は「年収 – (仕入 + 経費) = 所得」になります。 同じ年収でも所得はまるで違いますよね。これが農家の年収は高いのに儲からない理由です。

いくら年収が高くても仕入や経費が相応にかかればお金は残りません。 農家は収入の半分以上が経費で消えると言われており、作物の出来が悪かったり値崩れしたりすると収支が赤字になることすらあります。 こういった所得と年収が全然違う職業を年収で見るのは無意味ですよね。

テレビでよく「漁師の年収はなんと○○万円!」なんて放送されることがありますが、あれも船・道具・エサ・人件費などの費用を考慮していない金額と思われます。 日本ではなぜか年収で一律に比較するためにおかしなことになるのです。比較すべきは所得ですよね。

なお個人事業主でも経費がほとんどかからない職業も存在します。 そのような形態であれば年収で比較する意味もあるんですけどね。 例えばITフリーランスは身一つで仕事をするため、経費がほとんどかかりません。

農家や漁師の中には儲かっている人もいます。 しかし政府資料によれば所得は毎年減少傾向にあると発表されており、他の職業と比べると所得水準は低く、だからこそ従事者が減っているのです。 年収が高いからといって安易に選ぶと…どうなるかはもう分かりますよね。

漫画家の年収は高いけど所得は安い!

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この手の話でよく言われるのが漫画家です。 それほど有名ではない漫画家でも年収1000万超えが珍しくなく、高給取りのイメージを抱く人は少なくありません。

しかし漫画には想像以上の経費がかかっています。 代表的な経費はアシスタントさんの給料、つまり人件費ですね。

この人件費がどこから出ているのかと言えば当然ですが年収からです。 漫画家の年収が1000万でもアシスタント一人の給料が年200万だった場合、2人雇えばもう残りは600万です。 他にもパソコンや画材など仕事道具や諸々の経費がかかるので更に減ります。

そう考えると年収が1000万でも手元にいくら残るかは全然別の話ですよね。 前述の例の漫画家は年収1000万円ですが、実際の所得は年収500万円のサラリーマンとさして変わりない訳です。

経費をケチって一人で全部やってしまえば年収と所得はほぼ同じになります。 でも本来数人がかりでやる仕事を自分一人でやるのはそう簡単ではないですよね。 手抜きになって売れなくなって年収が下がってしまう恐れがあります。

有名漫画家はアシスタントを4人以上雇っていることも多く、その経費は年1000万~2000万以上になることもザラです。 そんな漫画と同じ市場で勝負する以上は、それなりに経費をかけて質の高い漫画を描かなくてはいけません。 しかし経費をかけるほどに年収と所得の差は開いていきます。難しい問題ですね。

そんな訳で個人事業主の所得を知りたい場合、年収は当てにならないという話でした。

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