時計の針が右回りなのは「時計が生まれたのが北半球」だから
時計の針は右回りで動いています。 常識と言えば常識ですが、なぜなのかを考えたことはあるでしょうか。
時計の針が右回りなのは、時計が発明された北半球で日時計が右回りなのが由来です。 北半球に住む人にとっては疑問に思いにくいことですけどね。
時計が右回りなのは、北半球の日時計が右回りなのが由来
時計の起源は古代エジプト
時計が生まれたのは紀元前3~4000年頃のエジプトと言われています。 古代エジプト人は、地面に建てたオベリスクを日時計として時刻を判断していました。
エジプトは北半球だから日時計は右回りに動きます。 逆に南半球なら左回りですね。
MEMO
日時計は影が出来る方向が「太陽の逆」であることを考えると動きが理解しやすいです。
太陽は北半球において東→南→西と回ります。 影はこの逆なので西→北→東と右回りだと分かります。
太陽は南半球において東→北→西と回ります。 影はこの逆なので西→南→東と左回りだと分かります。
時計は右回りが主流
やがてアジア・イスラム・ヨーロッパなどで色々な時計が作られますが、そのいずれも北半球が中心地でした。 人類の9割が北半球に住んでいるので、北半球が中心なのは当たり前と言えば当たり前のことです。
だから時計の針が回る方向も、北半球の日時計に準拠した右回りとなったのです。
南半球クイズ
日時計ついでに南半球クイズをしてみましょう。
日当たりが良いのはどっち?
あなたは日本からオーストラリアに引っ越すことになり、日当たりの良い物件を探しています。
窓がどの方角に向いている部屋を借りるべきでしょうか?
↓正解はこちら
答えは「北向き」です。
日当たりが良い条件は南北で反転します。 なので日当たりの良い部屋は「北半球の日本では南向き」「南半球のオーストラリアでは北向き」となります。
考えてみれば当たり前のことで、こうしてクイズに出されると大体の人が正解します。 しかし実際に引っ越す際にはそこに思考が回らずに、間違って後悔した人もいるようです。 気を付けましょう。
ディスプレイの時計が10時9分の理由
時計雑学をもう一つお話しします。
アナログ時計の画像やディススプレイでは、時計の時刻は大よそ「10時09分33秒」あたりを指しています。 メーカーや時計によって微妙にずれますが大体この辺りです。
この時刻に設定されているのには3つの理由があります。
ロゴを見せるため
メーカーロゴは時計の重要なアピールポイントのひとつです。 できるだけ見栄えよく目立たせたいので、ロゴの上に針が重ならないようにします。
ロゴは多くの場合、中央の6時-12時ラインにあります。 なので針はここと重ならない場所に配置します。
針を見せるため
針同士が重なると、長針、短針、秒針それぞれのデザインがよく分かりません。
なので三つの針が重ならないように配置します。
バランスよく見せる
針がロゴの上に乗らず、かつ三つが別方向を向いている時刻となれば、自ずと選択肢は限られます。 加えて見栄えをよくするため、針同士がバランスよく見えるようにします。
時計は360°なのでバランスを考慮すると120°ずつに分ければ良いです。 しかし長針、短針、秒針はそれぞれデザインが違うので、きっちり120°に分けると目の錯覚で歪に見えます。
そうした試行錯誤の末に、ディスプレイの時計には「10時09分33秒」辺りの時刻が選ばれている訳です。
まとめ
ロゴを見せる、針を見せる、バランスよく見せる。 これらを考慮してディスプレイ用の時刻が設定されています。
この黄金比は時計のデザインによって前後するため必ずしも一定ではありません。 メーカーや時計が変われば、この比率もまた変わります。
時計屋さんに行ったら、ディスプレイされている時計の時刻がどうなっているか確認してみてください。 きっと時計が一番美しく見える時刻を指しているはずです。