世界最大の一枚岩はエアーズロックではなくマウントオーガスタス
オーストラリアの有名な観光名所と言えばエアーズロックです。 この名称はイギリスの探検家によって名付けられたもので、現地ではウルルと呼ばれています。
エアーズロックは巨大な一枚岩として有名ですが、実は大きさは世界で2番目です。 1位は同じくオーストラリアにあるマウントオーガスタスで、エアーズロックの2.5倍もの大きさを誇っています。
同じオーストラリアにある巨大な一枚岩なのに小さいエアーズロックの方が有名な理由、分かりますでしょうか?
エアーズロックの方が観光地として整備されている
オーストラリアの有名な観光名所であるエアーズロックは、オーストラリアの大よそ中央にある高さ335mの巨大な一枚岩です。砂漠地帯にポッコリ膨らむ光景は「地球のへそ」とも形容されます。
太陽の当たる角度によって色が変わって見え、特に朝夕に見せる鮮やかな赤色は見ると何とも神秘的な気持ちにさせられます。 現地住民のアボリジニもそんな幻想的なウルルを見てか、古代から聖地として崇めらてきました。
さてこのエアーズロック、実は大きさは世界で2番目です。 世界一の大きさを誇る一枚岩は同じくオーストラリアにある高さ858mの巨大な一枚岩「マウントオーガスタス」であり、エアーズロックの2.5倍もの面積を持っています。
同じオーストラリアの一枚岩でマウントオーガスタスの方が遥かに巨大だというのに、知名度は明らかにエアーズロックが上です。この差がどこで付いたのかと言えば、ひとえにアクセスの良し悪しです。
エアーズロックはシドニーやケアンズから最寄りの空港まで空路で3時間程度で、空港から30分ほど車を走らせれば着きます。 また近隣はエアーズロックリゾ-トと呼ばれる街として整備されており、買い物や宿泊も可能です。
対してマウントオーガスタスは人の少ないオーストラリア西部にあり、オーストラリアの主要都市からとても離れています。 オーストラリアの主要都市はほとんどが東部に固まっており、観光名所も東部に固まっています。 西部には唯一パースがありますが南西に位置しており、北西にあるマウントオーガスタスへのアクセスは悪いです。
北西の都市カナーボンから東へ車を走らせて490kmほどでマウントオーガスタスに着きますが、エアーズロック周辺のようなリゾート地ではなく簡単な施設があるだけです。 そして登山時間はエアーズロックが2~3時間で往復できるのに対し、マウントオーガスタスは往復8時間の長丁場になります。 つまりマウントオーガスタスを旅行に組み込むと他の観光地を回る時間が取れなくなってしまうのです。
またエアーズロックにはアボリジニが古代に描いた壁画が残るなど信仰の場としての意味もありますが、マウントオーガスタスではそのような話は聞きません。 そういった歴史的なバックボーンがないのもマウントオーガスタスの弱みかもしれませんね。
つまり両者の知名度の差は観光地としての価値の差と言えます。 オーストラリア旅行となった時に最初に行く場所ではないし、観光地として整備された場所ではなくアクセスも悪いため中々ハードな旅行になります。 そりゃあ世界一に登った方が気分はいいでしょうが、旅行を楽しむという点ではエアーズロックに劣るのかもしれません。
そんな理由があって「オーストラリアの一枚岩と言えばエアーズロック」という風潮になっているのでした。 西部が発展して観光地として整備されればマウントオーガスタスも有名になるかもしれませんね。