クサギカメムシ|暗褐色の臭いカメムシ
名称(学名) | クサギカメムシ (Halyomorpha halys) |
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身体 | 体長:1.5~2cm |
生息地 | 東アジアに広く生息 |
食性 | 草食 |
クサギカメムシの特徴
クサギカメムシは暗褐色でやや大きめの一般的なカメムシです。 日本全国に分布しており、屋外でも家の中でも見かける機会はそれなりにあるのではないでしょうか。
カメムシと言えば臭いことで有名ですが、本種はカメムシの中でもかなりの臭さを誇っています。 タンスの中で冬眠したりするので、服や布団に悪臭が付いたりしてもう大変です。
カメムシが臭いを出す理由の一つは捕食者に対する防衛です。 悪臭を出すことで捕食者に「俺を食べても美味しくないぜ」と警告するんですね。 カメムシは鳥、昆虫、爬虫類など色々な動物に食べられるのですが、臭いのせいかあまり好んで食べられません。
この臭いには微量ながら毒も含まれており、大量のカメムシが狭い場所で臭いを出すと吐き気や頭痛が起きることもあります。 ちなみにカメムシ自身にもこの毒は効き、狭い容器に閉じ込め臭いを充満させると気絶させることができます。
もう一つの理由は仲間へのフェロモンです。 普段は微量の臭気を出して仲間に「ここは安全だからおいで」と知らせたり、危険が迫ると大量の臭気を出して「ここは危険だから逃げろ」と知らせたりします。
本種は農業害虫としても知られており、特に果樹をダメにすることで知られています。 果樹に張り付いて生活している訳ではないので駆除も難しく、大量発生することもあって厄介な農業害虫です。
カメムシ全てが害虫という訳ではないのですが、害虫となる種は多く被害も大きいため人間からはとても嫌われています。 そして人間以外の動物からもこの悪臭は割と嫌われています。犬や猫なんかもちょっかいをかけたら悪臭で退散したりしますね。
クサギカメムシの生態
生息地
東アジアの草原や森林に広く生息し、名前の通り草木によくいます。 自然が多い場所に生息していますが、都市部で見かけることもあります。
秋に生まれた幼虫は集団で越冬し、多いと数千~1万匹に達することもあります。 幼虫は集団で群れますが、成長するに従って単独行動になります。
普段の生活
昼行性で日中に採食し、夜はあまり動かず休息します。 ただ夜でも人工的な灯りに寄って来ることは多いです。
草食で果物を始めとした様々な植物の果汁を吸います。
繁殖と成長
卵生で初夏に繁殖期を迎え、葉の裏などに20~30個の卵を産み、繁殖活動を終えると成虫は死んでしまいます。
卵は一週間ほどで孵化し、秋ごろに産まれた幼虫は狭い場所で集団越冬します。 幼虫は5回の脱皮を経て初夏に成虫となります。
11か月で成熟し、寿命は1年です。