タガメ|水生昆虫の王者

lethocerus-deyrollei
名称(学名)タガメ (Lethocerus deyrollei)
身体体長:5~7cm:
生息地東アジアの池や田など
食性肉食で昆虫や小動物を食べる

タガメの特徴

lethocerus-deyrollei

タガメは田や池などに生息する肉食の水生昆虫です。 その獰猛な性格と自分より大きな獲物すら捕食する姿から「水生昆虫の王者」「水中のギャング」などと呼ばれています。

夏は水中を主な生活の場としており、呼吸はお尻の辺りに付いている「気門」を水上に出して呼吸しています。 水生昆虫のイメージが強いですが、空を飛んだり冬眠は陸でしたりと、陸上でも活動しています。

エサとして襲うのは昆虫類はもちろん、魚、カエル、ザリガニ、大きい種類になるとネズミ・ヘビ・カメを襲うこともあります。 日本にいる奴はせいぜい5cmちょっとぐらいなので、大物は捕らえませんけどね。

まず強靭な前足で獲物をがっちり掴んで、口にあるストローのような器官を獲物に突き刺します。 そこから消化液を流し込んで体内を溶かし、体液を吸い取って食べます。 後に残るのは中を吸われてペラペラになった獲物だけです。

いつの間にか絶滅危惧指定されており、その数を大きく減らしています。 主な原因は人間による生息環境の減少ですが、単純な自然破壊が原因と言い切るのは少し違います。 タガメは田んぼや用水路などの人工的な自然である里山に住む昆虫であり、そういった環境の減少や農薬・除草剤によって駆逐されて数を減らしているようです。

私が子どもの頃は学校のプールで見かけるぐらいだったんですが、今はもういなんですかね…?

タガメの生態

生息地

東アジアの田んぼや池などの水深が浅く流れが緩やかな水場に生息しています。 冬 (11月~4月)は冬眠してやり過ごしますが、水中で冬眠するものと陸上で冬眠するものがいます。

普段の生活

夜行性で夜に採食することが多いです。 肉食で自分よりも大きな獲物を捕まえて食べることもあります。

繁殖と成長

卵生で繁殖期は6月頃で、水中に一度に50~80個の卵を産み、1シーズンに数回の産卵を行います。 卵は孵化するまでの1か月半ほどの期間、オスが卵の側で守ります。

卵は1週間ほどで孵化し、1か月半ほどで成虫となります。 寿命は1年ほどで、水の中や石の下などで冬眠して寒い時期をやり過ごします。

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