マルチサイトのメリットとデメリット

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マルチサイトとは一つのサイトドメイン内に複数のサイトを置く手法です。 代表的なのがYahooで、ドメイン内にショッピングサイトやオークションサイトなどがあります。

ちなみにこのサイトもマルチサイトで、私は一応マルチサイトの管理者ということになります。 そんな私が世間でいろいろ言われるマルチサイトについて感じたことをお話したいと思います。

マルチサイトとは

1つのドメインに複数のサイトをぶら下げる形式のサイトのことをマルチサイトと言います。 本来はそれぞれ独立しているサイト群が1つのネットワーク内に集約されているのが特徴です。

例えばあなたが「ペット」「料理」「プログラミング学習」を話題にしたサイトを作りたいとします。 このとき「ore.com」にカテゴリ「pet / cooking / programing」を用意してまとめることも、「ore-pet.com」「ore-cooking.com」「ore-programing.com」の3サイトを作ることも可能ですよね。

マルチサイトはこの中間ぐらいのイメージです。 「pet.ore.com」「cooking.ore.com」「programing.ore.com」の3サイトを作り、それぞれ独立してはいますが、しかし「ore.com」のネットワーク内にあるって感じですね。

まずはマルチサイトの形式から見てみましょう。 マルチサイトには「サブディレクトリ形式」と「サブドメイン形式」の2つの形式があります。

サブドメイン形式

サブドメインは複数のテーマを水平に配置する形式です。

http://サブドメイン.サイトドメイン

サイトの取り扱うテーマが複数だった場合、一つのサイトに集約させると話題が煩雑になってゴチャゴチャした内容になります。 そういった時にある程度まとまったテーマをサブドメインとして分割して水平に配置するのがサブドメイン形式のマルチサイトです。

yahooがその典型で、ショッピング、オークション、路線検索など複数のテーマごとに独立させて水平に並べています。 複数のテーマでひとつのサイトを形成するのがサブドメイン形式のイメージになります。

サブディレクトリ形式

サブディレクトリは複数のテーマを垂直に配置する形式です。

http://サイトドメイン/サブディレクトリ

サイトの取り扱うテーマが深いものだった場合、一つのサイトに集約させると階層が深化してゴチャゴチャした内容になります。 そういった時にある程度まとまったテーマをサブディレクトリとして分割して下に配置するのがサブディレクトリ形式のマルチサイトです。

例えばサイト全体のテーマが「ウェブサイト制作」だった場合、「ウェブ知識」「HTML・CSS」「JavaScript」などの関連技術・知識などをテーマごとに独立させて下に配置します。ひとつのテーマを複数のテーマで掘り下げるのがサブディレクトリ形式のイメージになります。

URLの見た目がシングルサイトをカテゴリ分けにしたようなパーマリンク形式になっていますが、実態もそう変わりはありません。 特に利用者側からすればほぼ同じに映るでしょう。

ちなみにこのサイトもサブディレクトリ形式のマルチサイトです。

どちらを選択すべきか

マルチサイトを垂直・水平のどちらに切り分けるべきかの指針は前述した通りですが、実際はどちらとも取れるようなテーマが多いです。 そうなるとサブディレクトリ形式とサブドメイン形式のどちらを選択すべきか悩みますよね。

ぶっちゃけた話どちらも大した違いはなく、気分的な問題と言っても過言ではありません。 だからビビッと来た方に決めてしまうぐらいの気持ちでいいでしょう。

ただしサーバーによってはサブディレクトリ形式しか選択できない場合があります。 将来的なURL変更リスクを鑑みるとサブディレクトリ形式にしておいた方が無難かもしれません。

マルチサイトのメリット

よく言われているマルチサイトのメリットを挙げます。

マルチサイトのメリット

  • カテゴリの煩雑化や階層の深化を避け、話題を整理できる
  • 各サイトをテーマごとに特化できる(SEO的にも特化が望ましい)
  • 複数サイトに分割するよりは運用コストを抑えられる
  • 1つのドメインで色々なサイトを立ち上げられる
  • 各サイトの評価がネットワーク全体の評価に繋がる
  • 各サイトへの導線を設定しやすい
  • WordPressの場合、WordPress本体とデータベースが1つで済む

複数の話題を取り扱うサイトにボリュームが出てくると、サイト分割による整理の必要性が出てきます。 話題が雑多だったり階層が深すぎたりすると、サイトの方向性が迷走して運営者も読者も混乱してしまいますからね。

しかし話題ごとに1つのサイトとして独立させてしまうと、せっかくのサイト同士の関係性や評価も散ってしまいます。 そんな時にサイト同士の関係性を保ちつつ独立させられるのがマルチサイト機能です。

またマルチサイトは複数サイト運用に比べて、運営コストや費用を安く抑えられます。 特にWordPressでサイトを運用していた場合はメリットが大きいでしょう。

マルチサイトのデメリット

よく言われているマルチサイトのデメリットを挙げます。

マルチサイトのデメリット

  • 1サイト運用時に簡単にできていたことが難しくなる可能性がある(ネットワークを横断する処理は基本面倒)
  • マルチサイト下ではうまく動かないツールやプラグインがある
  • サーバーの引っ越し時に引っ越しツールが使えない可能性がある
  • サイトの集中管理はリスク集中にも繋がる

マルチサイトのデメリットの多くは「技術的な問題」に集約されるでしょうか。 マルチサイト運営の絶対者数が少ないため、欲しい機能が付いていなかったり、調べても解決策が出てこなかったりします。

マルチサイトでは使えないツールやプラグインがあるのもデメリットですね。 新しいプラグインが変な挙動をした時には、使い方が悪いのかマルチサイトのせいなのか悩まされることもあります。

サイトのリスク集中についてはそれほど気にすることはないと思いますが、流出したら困るような重要情報を持つサイトがある場合は留意した方が良いかもしれません。

本サイトをマルチサイト化した動機

参考までにこのサイトをマルチサイト化した動機についてお話します。

私の場合は当初3つの独立したWordPressサイトを運用していたのですが、サイト運用に非効率さを感じるようになりました。 アップデート・テーマやツールの管理・定期バックアップなどの運用作業をサイトの数だけ実施しなければなりません。

しかしやっていることはどのサイトも同じなので、やがて「これ各サイトを統合した方が楽なのでは?」と思うようになりました。 そこで各サイトをサブディレクトリ形式のマルチサイトへと集約して今に至ります。運用コスト軽減のために複数サイトを集約させた形です。

おかげでメンテナンスの手間は激減し、サイト更新に集中できるようになりました。 また3つあったドメインも一つにまとめられ、今ではドメイン一つでサイトを作り放題です。 世間ではあまり良く言われないことも多いマルチサイト化ですが、私にとってはとても満足できる結果となっています。

最低限システムに触れるなら悪くない

マルチサイトで検索すると、メリットはあるが面倒・辞めた方が良い・マルチサイトをシングルサイトに戻したなどの記事がたくさん出てきます。

システムに触れない人から見ると確かにリスクが目立つのですが、多少なりとも知識があればそれほど気になるものではありません。 技術的な問題にある程度自分で対処できるのであればマルチサイト導入を検討してもいいのではないかと思います。

シングルサイトを分割したい時や、複数サイトを1つに集約させたい時にはマルチサイト化を検討してみてはいかがでしょうか。

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