最も多くの人を殺したと言われる危険なキノコ「ドクツルタケ」
秋には色々な作物が実ることから「食欲の秋」と言われています。 そんな秋を代表する食材のひとつが「キノコ」です。
キノコの中には毒性のある毒キノコが存在し、食中毒事件が起きるのも秋に集中しています。 そんな毒キノコの中でも一際事故が多いのが、最も多くの人を殺した毒キノコと言われる「ドクツルタケ」です。 誤食が多いキノコなので注意しましょう。
多くの人を殺した毒キノコ「ドクツルタケ」
ドクツルタケとは
ドクツルタケは真っ白でやや大きめのキノコです。 1本食べれば人が死ぬほどの強い毒性を持っており、これは毒キノコの中でもかなり強い毒性です。
食べると6~24時間で酷い腹痛・下痢・嘔吐などの症状が現れます。 この時に適切な治療を受ければ助かる見込みがあるので、心当たりがあれば急いで病院へ行きましょう。 これを過ぎると一旦は小康状態となりますが、数日後に肝機能障害となってやがて死に至ります。
そんな恐ろしい毒性を持つドクツルタケですが、最強の毒性を持つキノコという訳ではありません。 しかしドクツルタケによる死者数は抜きんでています。
ドクツルタケは食用キノコに似ている
ドクツルタケの何が危険なのかと言えば、シロツルタケなどの食用キノコと非常によく似ていること、どこにでも生えていることが挙げられます。 その上強い毒性を持っているため、誤って食べて死んでしまう事故が後を絶たない訳です。
ドクツルタケの誤食を避けるため「素人は白いキノコを避けるべき」だと言われています。 シロツルタケらしきキノコを見つけたから食べてみようなんて考えは起こさないよう気を付けましょう。
最強の毒キノコ「カエンダケ」
日本の毒キノコの中でも最強の毒を持っていると言われているのが「カエンダケ」です。 カエンダケはその名の通りまるで火が燃えているかのように真っ赤な外見をしており、まるで海底のサンゴのようにも見えます。
カエンダケの毒性はドクツルタケの倍以上であり、触っただけでも皮膚が炎症を起こします。 食べてはいけないのはもちろんですが、見つけても迂闊に触れないよう注意が必要です。
しかしカエンダケによる死者はドクツルタケとは比べものにならないほど少ないです。 これはカエンダケの見た目や触れた時の作用が毒キノコのイメージそのものであり、誤って食べられることが少ないためでしょう。
しかし若干ながら食べて中毒を起こした記録があります。 何を思ってカエンダケを食べようと思ったんですかね…。
毒キノコの簡単な見分け方は存在しない
毒キノコの迷信
「毒キノコを簡単に見分ける方法」や「毒キノコの解毒方法」といった、毒キノコに関する迷信が数多くあります。 決まった種類のキノコしか生息していない狭い地域においては通用するものもあるかもしれませんが、広く通じるものはないので信じない方が良いです。
以下は毒キノコに関する迷信の一例ですが、全部嘘なので信じてはいけません。
毒キノコの迷信
- 縦に裂けるキノコは安全
- 地味な色なら安全
- 虫や動物が食べているキノコは安全
- 毒キノコをナスと一緒に調理すれば毒が消える
素人判断でキノコを食べるのはやめよう
毒キノコの割合はキノコ全体から見るとそれほど多い訳ではありません。 しかしキノコが食用か毒かの判断は素人には難しいし、もし毒キノコだったら酷いことになる危険があります。
普段から山でキノコ採りをしているような人でも、誤って毒キノコを食べてしまう事故が珍しくありません。 その辺に食べられそうなキノコが生えていても、食べようとは思わない方が身のためでしょう。
キノコ狩りの際にはガイドに見て貰う、指定されたキノコだけを採るなどした方が無難です。 少しでも怪しいと思ったら食べない、白いキノコは避けることを心がけましょう。