ライオン|百獣の王

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ライオンの特徴

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ライオンは大型の肉食動物です。 黄褐色の被毛、太く強靭な前足、長く鋭い牙を持ち、特徴的なのがオスのみに生えるタテガミです。

成熟したオスにはタテガミが生えてきて、成長すると共に黒味がかってきます。 黒いタテガミは強いオスの証であり、黒いほどにモテます。

特に印象的なのが。 これは急所である首の保護と、メスへのアピールになっています。

百獣の王と呼ばれているけど…

最強の動物は何かと言われたとき、ライオンを思い浮かべる人は少なくありません。 象徴的なタテガミ、強靭な牙や爪、鍛えられた肉体など、肉体百獣の王の名に違わぬ特徴を持っています。

トップスピードは時速80kmにもおよび、獲物に飛びかかって攻撃します。 小型の動物なら前足の一撃で仕留め、相手が大型動物でも複数で襲い掛かって絞め落とします。 狩りの成功率は2~3割程度ですが、逃げられることは多くても撃退されることはほとんどありません。

しかしライオンは強いことは強いですが、1対1で最強というほどではないです。 ゾウ・サイ・カバ・キリンなどの強力な動物はよほど飢えていなければ基本襲いませんし、相手が成体だと集団で襲い掛かっても結構返り討ちに合ってます。

またネコ科の中で考えても、トラの方がサイズが大きく強いような気もします。 トラとライオンは生息地も生活場所も違うから断言はできませんけどね。

そんなライオンが百獣の王と呼ばれるのは、様々な動物が生息するアフリカにおいて食物連鎖の頂点に君臨する動物だからでしょうか。 ライオンより強い動物はみんな草食なので襲い掛かったりしませんからね。

群れで活動する

ネコ科動物は基本的に単独行動しますが、ライオンは例外的に群れを作ります。 ネコ科最強(候補)のライオンが群れで活動するのは、足が遅いからと考えれます。

ライオンは時速80kmの瞬足ですが出せるのは一瞬ですし、野生動物としてそれほど速くありません。 そのため狩りは4~5頭で連携して大きい動物を狙い、集団で追い込んで仕留め役が狩るスタイルです。

ライオンは1頭のオスに複数のメスとその子どもたちで構成される「プライド」という群れを形成します。 プライドには複数のオスがいることもありますが、これはプライド同士が連合しているためです。

オスは楽そうに見えて大変です

オスのライオンは狩りにほとんど参加せず、メスが取ってきた獲物を食べさせてもらいます。 基本寝ていて起きれば食べて交尾するだけのうらやましい生活をしています。 まるでヒモですね。

しかしこのオスライオン、だらだら生きていける訳ではありません。 他のプライドや肉食獣と縄張りがぶつかれば戦ったり、プライドを乗っ取ろうとするオスの挑戦を受けたりで大変です。 怪我や老いで力が衰えていき、いずれは負けて群れを追い出されます。

一旦プライドを追い出されると、元の生活に戻るには群れを乗っ取らなくてはなりせん。 できなければ放浪した先に死が待っているだけです。オスライオンは決して気楽な生活ではないのです。

ライオンの生活

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ライオンの一日

夜行性で日中は基本的にだらだら過ごします。 1日20時間ぐらい寝ており、夕方に動き出し始めて夜になると狩りが始まります。

狩りは主にメスが複数で行い、シカやシマウマなどをチームで追い込んで狩ります。 たまに一人で狩りをしたり、他の動物のエサを横取りしたりもします。

ハイエナのエサを横取りする、いわゆる「ハイエナのハイエナ」もよくあることです。 ライオンからすれば足の速い草食動物を狩るより、肉食動物から奪い取った方が効率が良いんでしょうね。

ライオンの一生

年中子どもを産むことができ、出産の時期になるとメスは一時的にプライドから離れて出産します。 それから2か月ほど子育てをしてから子と一緒にプライドに戻ります。

子は3~4年で成熟し、オスの子供はプライドを追い出されます。 それからは若いオス同士で群れを作ったり、独立したりしながら力を蓄えます。

やがて成長したオスはプライドの乗っ取りに挑戦します。 成功すると負けたオスは去り、新たなオスは子ライオンを殺して自分の子を残そうとします。

寿命はオスが8~10年、メスが10~15年ほどです。 オスの寿命が明確に短いことからも、オスが大変な生活をしていることが分かります。

ライオンの仲間

アフリカライオン

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アフリカに生息するライオンで、通常ライオンといえばアフリカライオンを指します。 250㎢ほどの縄張りに1~数頭のオスを頂点とした10~20頭の群れで生活しています。

群れは1~数頭のオスと、複数のメスとその子供たちで構成されています。

インドライオン

Panthera leo persica

インド北西部に生息するライオンで、アフリカライオンと比べて一回り小さい体・短いタテガミ・やや弛んだ皮膚が特徴です。

かつてライオンはアフリカとインドの間にも生息していましたが絶滅し、インドライオンはアフリカ以外に生息する唯一のライオンとなっています。

生息地の獲物がアフリカと比べて小型であるため、単独で狩りを行うことが多くトカゲや昆虫を食べることもあります。 群れの数も少ないですが、オスが群れを守りメスが狩りをするスタイルは同じです。

ホワイトライオン

ホワイトライオンという真っ白いライオンがいます。 これは種として独立している訳ではなく、アフリカライオンが白い見た目をしているだけの白変種です。 要はネコに対する白ネコみたいな存在ですね。

白変種は周囲が白かった氷河期時代の名残と考えられていますが、現在は悪目立ちするため生存には不利です。 しかしそれ故に野生で生き残っているのは優秀な個体と考えられます。

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