ヒメウォンバット|ずんぐりむっくりの有袋類
名称(学名) | ヒメウォンバット (Common wombat) |
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身体 | 体長:1m / 体重:25kg |
生息地 | オーストラリア南東部 |
食性 | 草食 |
ヒメウォンバットの特徴
ウォンバットはオーストラリアに生息する有袋類で、コアラと近い関係にあります。 その中でもヒメウォンバットは最も広くに生息して数も多い一般的な種で、学名も「Common wombat」とそのままです。 他のウォンバットと比較すると鼻先に毛がないのが特徴です。
小型なイメージがありますが成長すると結構大きくなり、成体は体長1m前後あります。 ちなみにご先祖様であるディプロトドンは更に大きく、体長3mで体高2mととんでもない大きさがありました。 このディプロトドンはコアラの先祖でもあります。
動物園などで見るウォンバットは一見すると緩慢な動作をしていますが、追い込まれると意外に俊敏で本気を出すと時速40kmほどで駆けまわることが出来ます。 我々が見るウォンバットがのっそり動いているのは早く動く必要がないからなのです。
地中に掘ったトンネルを巣穴として、そこを中心に活動しています。 天敵に襲われそうになると一目散に巣穴へと逃げ帰り、狭い巣穴の中でお尻を相手に向ける形で防御態勢を取ります。
ウォンバットのお尻は肉食獣が攻めあぐねるほどに丈夫でカチカチです。 そんなお尻を使ってのヒップアタックは強力で、天敵のタスマニアデビルが巣の近くで頭蓋骨を割られて死んでいることがよくあるほどです。 なお巣の外ではタスマニアデビルの方が圧倒的に強いです。
ちなみにウォンバットは有袋類の中では唯一の「歯が伸び続ける動物」です。 だから木を齧って歯を削らないと歯が伸びすぎて口に収まらなくなり大変なことになります。
ウォンバットはとても珍しい「四角いウンチ」をしますが、これは縄張りを主張するためです。 ウォンバットの縄張りがバッティングすると、地中でお隣さんの巣穴に繋がってしまう可能性があります。 それを避けるため地上に転がりにくい四角いウンチを置き、「ここは私の縄張りだから近くに来ないでね」と知らせているのです。
ヒメウォンバットの生態
生息地
オーストラリア南東部の草原、森林、山岳地帯などに生息しています。
普段の生活
地中に10m以上もの長いトンネルを掘って巣穴としてそこを中心に活動しています。 夜行性で日中は巣穴で休息し、早朝や夕暮れに外に出て採食活動を行います。
草食で草、木の根、樹皮などを食べます。
繁殖と成長
胎生で30日の妊娠期間を経て一子を出産します。
子は未熟な状態で産まれ、有袋類特有のお腹のポケットに入れて子育てし、子は1年半ほど育てられた後に独立します。
寿命は5~10年ほどですが、飼育下では20~30年ほど生きます。