ミユビナマケモノ|危険を冒してトイレに行くナマケモノ

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名称(学名)ミツユビナマケモノ (Bradypus tridactylus)
身体体長:40~70cm / 尾長:7cm / 体重:4~6kg
生息地南米アマゾンの密林
食性草食で葉や苔を食べる

ミユビナマケモノの特徴

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ミツユビナマケモノは前後の足が3本指のナマケモノです。 アマゾンの森林地帯に住んでおり、雨季には洪水に見舞われるため泳ぎも上手です。

ナマケモノは基本的に1日をずっと木の上で過ごします。 1日18時間寝て過ごし、起きている間にすることと言えば緩慢な動作で葉を数枚食べるぐらいです。

丸く小さな頭の中にはやはり小さな脳があり、無駄に思考を巡らせてお腹を空かすような真似はしません。 筋肉は同じ体格の動物と比べて半分程度しかなく、また体温も低いため生きていくのに使うカロリーは大変少ないです。 270°回転する首であまり体を動かさずに葉を食べることができ、食べたものもバクテリアが大部分を分解してナマケモノ自身はあまり消化しません。

しかしミツユビナマケモノは数週間に1度、命を懸けて排便をしなければなりません。 木の幹まで降りてきて排便するのですが、これは肉食獣にとってナマケモノを襲う格好のチャンスとなります。 また木の昇り降りには当然エネルギーを使うし、うっかり転落してしまう危険性もあります。 普段の省エネ生活を捨ててまでリスクを冒してまで排便するのは、木と食料のためです。

まず糞に含まれる栄養を肥料として木に返します。 実は熱帯雨林は上から見た大自然とは裏腹に、地上部分にはほとんど栄養がありません。 高温多湿な環境でバクテリアが活発なため、土になる量が少ないのです。 だからナマケモノの糞も木にとっては立派な肥料となります。

そして糞はミツユビナマケモノと共生関係にあるメイガの産卵地にもなります。 メイガは成長するとナマケモノの毛の中で交尾するのですが、その際にナマケモノの毛に栄養を与えます。 その栄養が苔を成長させて、ナマケモノの食料となるのです。

木と食料を守るため、ミツユビナマケモノは肉食獣に襲われるリスクを承知で下まで降りて排便します。 死因の半分がトイレに関連したものであるほどリスクの高い行為ですが、生活を守るために命懸けでトイレに臨むのです。

ミユビナマケモノの生態

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生息地

南米アマゾンの熱帯雨林に単独で生活しています。 生涯のほとんどを木の上で過ごしますが、アマゾンは雨季に洪水になるため泳ぎも得意です。

普段の生活

ほぼ1日中木の上におり、1日18時間は寝て過ごします。 一応夜行性で、1日に数枚の葉を食べます。

繁殖と成長

繁殖期は4月ごろで、9か月の妊娠期間を経て1子を出産します。 子は10か月は母親の背中にしがみついて過ごします。

子は4~5年で成熟し、寿命は15年ほどです。

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