フクロアリクイ|アリクイに似てるけど別の生物
名称(学名) | フクロアリクイ (Myrmecobius fasciatus) |
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身体 | 体長:20~25cm / 体重:250~500g |
生息地 | オーストラリア |
食性 | 肉食 |
フクロアリクイの特徴
フクロアリクイはオーストラリアに生息する有袋類で、ナンバットとも呼ばれます。 大きな尻尾と背中の横縞が特徴です。
その名の通りアリを食べ、シロアリを主食としています。 強靭な前足でアリの巣を掘り、10cmにも及ぶ長い粘着性の舌でアリを絡め取って食べます。 アリクイらしい特徴と生態なのですが、実はこのフクロアリクイはアリクイとは別の生き物です。
一般的なアリクイは有毛目に所属しているのに対し、フクロアリクイはフクロネコ目に所属しており生物として遠いです。 それが何故こんなに似ているのかと言えば収斂進化と言うやつで、元は全然別の動物だったのにアリを食べるために進化して似たような特性を獲得するに至ったのです。 なので本種はアリクイの仲間ではありません。
有袋類にしては珍しく昼行性ですが、これは大量のシロアリをエサとして必要とするためと考えられています。 フクロアリクイが一日に食べるシロアリの数は2万匹と言われ一日の多くを採食活動に費やします。 ちなみに有袋類には夜行性のものが多く、カンガルーもコアラも夜行性です。
また有袋類ですが育児嚢は退化しており、カンガルーやコアラのように育児嚢に入れて子育てすることはできません。 なので子育ては巣にて行います。
フクロアリクイはアリクイのようでいてアリクイでない、有袋類だけど有袋類のようではない動物なのです。
フクロアリクイの生態
生息地
オーストラリア南西部のユーカリ森、草原、砂丘などに生息しています。 木の洞や地面に掘るなどした巣を中心に活動し、オス・メスとも単独でナワバリを持って生活しています。
普段の生活
昼行性で日中に採食し、夜は巣で休みます。
肉食ですが食事のほとんどがシロアリで、ほぼ一日中シロアリを食べています。
繁殖と成長
胎生で2~3月に繁殖期を迎えるとオスがメスのナワバリに入って繁殖相手を探します。 2週間の妊娠期間を経て4~6子を出産し、メスが子育てをします。
有袋類ですが育児嚢は持っていないので、子育ては巣にて行います。 母親は子を巣に残して採食に出かけ、戻ってくると授乳させて育てます。
子は半年で乳離れして親のナワバリで活動を始め、8か月ほどで独立します。 1~2年で成熟し、寿命は6年ほどです。