死ぬ前に一時的に元気になる現象「中治り」

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動物は死の少し手前に一時的に元気を取り戻すことがあります。 危険な状態になったものの持ち直し、数時間あるいは数日間は穏やかに過ごせて快方に向かっているのかと思いきや、少し経つと嘘のように亡くなってしまうのです。

死の直前に一時的に持ち直すことを「中治り」と呼びます。 科学的なメカニズムは分かっていませんが、経験則として広く知られています。

中治りとは

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私の祖父の話です。 体調を崩した祖父は入院するも容体は悪化し、自力でご飯を食べることもあまりできない状態でした。 お医者さんからも「悪くするとこのまま亡くなってしまうかもしれない」と説明されていました。

親戚が交代で様子を見ていたのですが、ある日様子を見ていた祖母から「少し元気になって自分で食事をするようになった。意識もはっきりして今は話すこともできる」と連絡を貰いました。 どうやら快方に向かいそうなので、退院はいつになるかとか今後どうするかとかを漠然と話していました。

しかしその日のうちに祖父が亡くなった連絡が来ました。 もう快方したものだと思っていた矢先の出来事だったので驚きでした。

このような「亡くなる直前に元気になる」という現象、実はそれほど珍しいことではないようです。 周囲に話せば「そういえばうちでも…」と同じような話が出てくるし、ペットの死に際などでもこのような体験談を聞くことがあります。

このような死の際に一時的に元気を取り戻すことを「中治り」と言います。 メカニズムはよく分かっておらずあくまで通称なのですが、確かにこういった事は度々あるようです。 「灯滅せんとして光を増す」なんて慣用句もあるぐらいですし、昔から知られていたのかもしれません。

「中治り」は「仲直り」とも言われます。 人生の心残りを清算するために、神様がくれた最後の時間という捉え方です。

もしもあなたの身近な人、あるいはあなた自身が死を前にして持ち直した場合、そのまま治るとは考えずにやり残した事を済ませた方が良いかもしれません。 もしそのまま回復したならそれはそれで良いでしょうしね。

人との別れはいつも急なものです。 常日頃から一期一会を大切に生きていきたいですね。

種の保存本能が関係している?

中治りが起きるメカニズムは分かっていませんが、動物にこのような機能が備わっているのは種の保存本能が関係しているように思います。

動物は子孫を残そうとする本能を持っており、これは死の間際にことさら強く発揮されます。 本来であれば死の瀬戸際なんてフラフラでどころではないはずですが、どうせ大事を取っても長くは持ちません。

そこで脳が苦痛や痛みを和らげ中治りさせ、一時的にでも元気にさせて繁殖活動が可能な状態にしているのではないでしょうか。 男性は死ぬ直前に性欲が高まることが知られていますが、中治りとの関係が深いように思います。

憶測ではありますが、こう考えると生物として合理的でしっくりきますね。 そして合理的だからこそ現代にまでその機能が受け継がれているのではないでしょうか。

…何だか身も蓋もない話になってしまいましたね。

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