HTMLの歴史

HTML

HTMLと一口に言っても、1989年に作られてから今までに色々ありました。中でも初心者を混乱させるのがXHTMLの存在です。ちょっと古いサイトはXHTMLで作るのを推奨していたりしますが、今はもうHTML5の時代です。
HTMLの歴史を振り返って変遷を見つつ、何がどうなっているのか整理しましょう。

HTMLの誕生とW3Cの設立

HTMLは1989年にCERNのティムバーナーズリー氏によって開発されました。 これは今ではHTML1.0と呼ばれています。 1994年には同氏によりWEB技術の標準化を策定する団体W3Cが設立されます。

バージョンアップされていくHTML・・・だが?

1995年、インターネット技術の標準化を推進する団体IETFからHTML2.0が公表されます。 W3Cは同年にHTML3.0の仕様を提示するも、正式に勧告されることはありませんでした。 原因はWEBブラウザの開発会社による抗争です。

当時の2大ブラウザ「Netscape Navigator(NN)」と「Internet Explorer(IE)」は激しいシェア争いをしていました。 NNは圧倒的なシェアを持っていましたが、Windowsに標準インストールされたIEはWindowsの普及とともにシェアを伸ばします。 顧客を囲いこむため、両社は互いのブラウザに独自機能を実装していきました。 その結果WEBサイトはNN・IEのどちらかに準拠したページを作らなければならない事態にまで発展していたのです。 このサイトはNNでは見れるけどIEでは見れないなんて事がざらに起こるようになりました。

W3CはNN・IEのどちらにも対応していない機能を持ったHTML3.0を提示するも、両社ひいては市場に歓迎される代物ではありませんでした。 結局W3CはHTML3.0を破棄し、1997年にグレードダウン版ともいえるHTML3.2を勧告します。 ちなみにブラウザ抗争はIEの圧勝で幕を閉じます。

CSS1.0の勧告

従来のHTMLはWebページの文書構造と装飾の両方を記述していました。 しかしWEBデザインが発展するに従い様々なレイアウトのサイトが誕生し、それに伴ってHTMLの記述も複雑化・難読化していきます。本来HTMLは文書構造を記述する言語として作られたもので、この事態は好ましくありません。

そこでW3CはWebページの文書構造とデザインの記述を分けて記述する仕組みを作りました。 1996年にレイアウトを記述するCSS1.0を勧告し、HTMLはあくまで文書構造のみを記述する言語と位置づけます。

世界中に広がったHTML4.0

W3Cは1997年、曖昧に使われていたHTMLの仕様を整理し、将来的な互換性を保証する規格としてにHTML4.0を勧告します。 ISO/IEC標準への適合や国際化の取り込みもあって、様々なブラウザでサポートされ世界中に爆発的に普及しました。 1999年末にはHTML4.01が勧告され、HTML4系は多くのWEBサイト製作に使用されました。

XHTMLの台頭

HTML4は優れた規格ではありましたが、曖昧な記述が許されておりデータを扱うには不適格な面がありました。 そこでW3Cは2000年、HTMLで許されていた曖昧な記述を制限し、データの取り扱いに優れたXMLを取り入れたXHTML1.0を勧告します。XHTMLはデータやサイトの標準化に重きを置いたものでした。

W3CはHTML系からXHTML系へのシフトを宣言し、2001年にXHTML1.1を勧告、2002年には従来のHTML・XHTMLと互換性のないXHTML2.0の仕様を策定します。 2004年にはCSS2.0が勧告され、XHTML2.0&CSS2.0こそがWEBサイト標準であると言われるまでになります。

しかし全てのWEBサイトがXHTMLで記述されるようになった訳ではありませんでした。 XHTMLのメリットであるデータの取り扱いは企業ならともかく、趣味のサイトには無用です。 HTMLで記述したサイトをXHTMLに書き直すのは手間ですし、HTMLで記述して不都合がおきる訳でもありません。 全体としてXHTMLにシフトしつつも、HTMLを支持する勢力は一定数残ることになりました。

HTMLの復権とHTML5.0の勧告

XHTMLの普及が進まない一方、WEBアプリケーションがどんどん発展します。 市場ではデータの取り扱いに優れたXHTMLよりも、アプリケーション機能の高いHTMLを求める声が高まっていました。

そしてついにブラウザ会社の有志連合によって「WHATWG」が結成され、HTML5.0の策定に向けた動きが始まります。 これらを見てW3CはXHTMLのへの切り替えを止め、WHATWGと協力してHTML5.0の策定を進めます。

そして2008年にHTML5.0、CSS3(ついでにJavaScript2.0)が発表されました。 HTML5は過去に市場のニーズと仕様が乖離した反省から定期的にバージョンアップする方針になりました。 2014年にはHTML5.0が正式勧告され、XHTMLは既にマイノリティとなっています。 既に多くのサイトがHTML5.0で記述されており、その数は今も増え続けています。

どのHTMLを学ば良いか

今からHTMLを勉強しようと考えている人にはHTML5.0をお勧めします。 HTML4の発展系であり、今サイト製作の主流になっている言語です。

ただXHTMLを学習するメリットがない訳ではありません。 XHTMLからHTMLへリライトする場合はXHTMLの仕様を知っておく必要がありますし、データの取り扱いや標準化に関してはXHTMLに優位性があります。興味があればそちらを勉強したり、XHTMLでサイトを製作するのも悪くはないと思います。

eyecatch

要素の階層構造

eyecatch

セクションとアウトライン

HTMLの記事

eyecatch

キャッシュマニフェストでキャッシュを指定する

eyecatch

head要素内の基本的なマークアップの流れ

eyecatch

HTML文書の基本構成

eyecatch

属性セレクタで条件下の属性のスタイルを変える

eyecatch

コンテンツモデルとコンテキスト

eyecatch

セクションとアウトライン

HTMLの記事一覧HOME