ウェブライティング入門

あなたにライティング能力があっても、ウェブでそのまま通用する訳ではありません。 ウェブ固有の事情があり、それを汲んだウェブライティング能力が求められるからです。
ウェブライティングの基本を抑えておきましょう。
誰に何を伝えたいのか考える
テレビと比べるとウェブサイトが情報を発信する対象は限定的です。 もちろん万人に訴えるようなポータルサイトやメディアもありますが、特定の年齢、性別、属性、趣味などの限られた対象をターゲットとしたサイトは珍しくありません。
限定されたターゲットを相手にしたサイトは文章もターゲットに向けたものになります。 ターゲットによく伝わる・共感しやすい文章はターゲットの属性によって変わるので、ターゲットに合わせたライティングが基本となります。
文章を書く前にそのサイトやページが何を伝えたくて誰に向けたものなのかを考えてみてください。 そうすれば自ずとどのような文章を書くべきなのかも見えて来るはずです。
ウェブページ特有の事情
書いたページ順に読まれる訳ではない
本を読む時は最初のページから順に読みますがウェブページはそうではありません。 検索エンジンやリンクから飛んでくることが多く、その1ページしか読まれないなんてことが普通にあります。 全てのページをある程度完結したコンテンツとして作る必要があるでしょう。
読者の環境は様々
ウェブページを読む人の環境は様々です。 机に置いた大画面PCで読む人もいれば、ベンチに腰かけてタブレットで読む人もいれば、満員電車の中で片手に持ったスマホで読む人もいます。 ウェブページの見え方やユーザが割ける集中力は環境によってかなり変わります。
座ってじっくり読ませるサイトなのか、満員電車の中スマホでも気軽に読めるサイトなのかによっても文章の書き方は変わってきます。 その意味でもターゲッティングを意識しなければなりません。
簡単に離脱される
せっかくページにやってきてくれても、ちょっと読んでつまらないと判断されると簡単に離脱されます。 また文章量が多い場合も読むのが面倒になってか離脱されることが増えます。
適切な文字数と飽きさせずに最後まで読ませる仕組みを意識してページを作る必要があるでしょう。
ウェブライティング特有の作法
画像を利用する
文章だけが書かれているウェブページは読むのが大変です。 アイキャッチや補足画像を入れて情報を補完しましょう。
ただしあくまで主体はテキストであることを肝に銘じておいてください。 特に通信速度の遅い端末では画像の表示が遅れることもあって、画像頼りの構成にするのは好ましくありません。
長文を区切る場合は改行よりも文節を分ける
長文は冗長で疲れるので切りの良い場所で文章を区切りますよね。 その際によく改行用の<br>タグが用いられますがあまりお勧めできません。
ウェブサイトは閲覧するデバイスによって横幅が変わり、横幅が変われば文章の折り返し地点も変わります。 そのため<br>タグによる改行は横位置が安定しません。それに文節内で改行を入れるのは半端な印象を受けます。
文章が長くなったと感じたら<p>タグによって文節を区切りましょう。 一文節が長すぎる場合は文章の構成を変えて分けた方が良いでしょう。
文字装飾を使いすぎない
強調したい場合に効果的な文字装飾ですが、あまり装飾を多用すると何がどの順番で大事なのか分からなくなります。 16色に装飾された文章があってもどの色がどれだけ重要なのか読み手は混乱しますよね。
装飾は2~3種類に絞り、どのような場合にどう装飾するかをルール決めしておきましょう。 奇をてらわなければ太字と赤字の2種で十分です。
SEOを意識する
ウェブページがどれだけ読んで貰えるかはSEOに大きく依存でします。 どれだけ良い文章を書いても検索エンジンに拾って貰えなければ誰にも見て貰ないので、ウェブライティグをする上でSEOは避けて通れません。
SEOを第一に考えるのはそれはそれで問題ですが、SEOを全く意識しないのも問題です。 SEOと上手く付き合うためにもSEOを意識したウェブライティング手法を知っておきましょう。
キーワードを意識した記事を書く
あなたのウェブサイトやページにユーザが何を目的にやってくるかを考えましょう。 抱えている問題の解決のためかもしれませんし、特定分野の詳しい知識が欲しいのかもしれませんし、美味しい食事を探しているのかもしれません。
ユーザは目的や欲求を達成するために検索エンジンでキーワードを入力します。 主な目的は「したい」と「知りたい」のいずれかであり、それに対するキーワードと関連ワードが記事に散りばめるべきものになります。
例えば福岡で美味しいラーメンを食べたいと考えている人は「福岡」「天神」「ラーメン」「美味しい」「おススメ」「豚骨」などのキーワードを使って検索すると思われます。 なのでページにこれらのキーワードを盛り込めば検索エンジンに表示される可能性が高くなります。
ただしキーワードを物理的にやたらと沢山配置しろという話ではありません。 キーワードを中心に据えた意識で記事を書くのが重要という話で、読んでくどさを感じるならキーワードの削除を検討すべきです。
必要十分のキーワードを効果的に配置した記事を心がけましょう。
見出しはとても重要
ウェブページの見出しは検索エンジンに表示されることになります。 検索して出てきた一覧の中からあなたの書いた記事を読んで貰うには、魅力を感じて貰えるような見出しを書く必用があります。
また見出しは記事本文よりもキーワードの価値が高く、特にタイトルである<h1>タグは検索エンジンから重要視されています。 ユーザにクリックしてもらえる見出しを32文字内でまとめましょう。
タイトルは5W2Hとキーワードを意識して書きましょう。 検索エンジンで沢山出てきた記事の中からこの記事を読むべきなのかを相手に伝えるのはとても重要です。
ユーザの興味をより強く惹いた・要望とマッチしたタイトルの記事ほど読まれる可能性が高くなります。 逆にここでユーザの意識と食い違えばどれだけ良いタイトルでもクリックされません。
見出しの選定はGoogle社の提供する「Google AdWords」を使うとよりSEOに強いものを作ることができます。 キーワードの検索ボリューム・関連性・競合性を教えてくれるので、見出し選定の参考に大いに役立ちます。
ページがほぼ独立しているブログ記事ならページ毎にタイトルを考えれば良いですが、上層下層に分かれているサイトはもう一工夫できます。 上層のページは大枠の漠然としたキーワードを、下層に行くほど小枠の具体的なキーワードを設定しましょう。文字数に余裕があれば上層のキーワードを流用するのも手です。
ディスクリプションを設定する
ディスクリプションとは各ページの要約のことで、全角120文字以内で記述できます。 本文からキーワードやメッセージ性の高いフレーズを抜き出して上手くディスクリプションを構成しましょう。
ただし全ページの要約を書くとなると相応の手間がかかります。 余裕がなければサイトホームやカテゴリなどの重要度や検索順位の高いページのみディスクリプションを丁寧に書き、残りは記事から自動生成するなどの妥協も必要になるでしょう。