エチゼンクラゲ|巨大でモジャモジャで大発生するクラゲ

Nemopilema nomurai
名称(学名)エチゼンクラゲ (Nemopilema nomurai)
身体体長:60cm~2m / 体重:50~200kg
生息地東アジアの浅海
食性肉食

エチゼンクラゲの特徴

エチゼンクラゲは丸くて触手がモジャっとした巨大クラゲです。 傘の大きさが1m超えは当たり前、大きい個体は傘が2mを超えで触手は5mある個体もいるほどで、日本近海では最大級のクラゲです。

エチゼンクラゲは大量発生して漁業被害を出すことで度々ニュースとなります。 デカい上に100kg以上の重さがあるので、大量に網に引っかかると道具が壊れかねません。 また人間にはそれほど影響はないながらも毒を持っているため、触手の刺胞に触ると手が痒くなったり腫れたりします。

こんなのが大発生したら漁師さんの商売は上がったりですね。 そんなエチゼンクラゲは大発生したり激減したりをよく繰り返していますが、理由はよく分かっていません。

ただ一か所に集まるのは自発的なものではなく、波風に揺られて集められた結果のように思います。 クラゲは遊泳能力が低いため風や海流の影響をモロに受けて集められやすく、クラゲにしては泳ぎが得意なエチゼンクラゲも例外ではないでしょう。

エチゼンクラゲはそれなりに強い毒を持っているため、普通の魚に食べられることはありません。 しかし固い皮膚を持つカワハギには毒が効かないため天敵であり、中でもウマヅラハギは好んでエチゼンクラゲを食べることで知られています。 ウマヅラハギの群れがエチゼンクラゲを見つけると、寄ってたかってムシャムシャと食べてしまいます。

またイシダイやマアジなどエチゼンクラゲに一方的に寄生して暮らす魚もいます。 エチゼンクラゲの傘の中にいることで保護してもらいつつ、体を齧ってエサとして食べたりします。 エチゼンクラゲを引き上げると、そんな魚たちがまとめて上がることもあるようです。

エチゼンクラゲの生態

生息地

東アジアの沿岸近くの浅海に生息します。 基本的に単独で生活していますが、海流に流されて集まって大群になるることがあります。

普段の生活

海流に流されながら浮遊生活をしています。

肉食で動物性プランクトンを食べます。

繁殖と成長

卵生で一度の産卵で数千万個の卵を産むと考えられています。 卵が孵化すると幼生の「プラヌラ」となり親から離れて独立します。

プラヌラは遊泳して岩などに定着してイソギンチャクのような「ポリプ」となり、プランクトンを食べて成長します。 ポリプは芋虫に毛が生えたような「ストロビラ」、雪の結晶のような「エフィラ」、小さいクラゲの「稚クラゲ」を経て成体に成長します。

プラヌラから成熟するまで8か月ほどで、寿命は1年ほどです。

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