ムラサキウニ|暗紫色の体と長いトゲを持つウニ
名称(学名) | ムラサキウニ (Heliocidaris crassispina) |
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身体 | 体長:5cm |
生息地 | 東アジアの浅海 |
食性 | 雑食 |
ムラサキウニの特徴
ムラサキウニは東アジアの浅海に広く生息しているウニです。 名前の通り暗い紫色をしており、他種に比べてトゲがやや長いのが特徴です。
この長いトゲと固い殻によって身を守っていますが天敵も少なくありません。 殻を溶かして食べるヒトデ、石にぶつけて叩き割って中身を食べるラッコ、殻ごと食べるフグなど、意外にウニを襲う動物は多いです。 何より人間に狙われます。
さてこのムラサキウニ、雑食性で死んだ動物や海藻を食べ、とても飢餓に強いです。 それが原因で漁業関係者からは海の厄介者として嫌われています。
何かしらの理由で海藻が極端に減少する「磯焼け」と呼ばれる現象があります。 磯焼けが起きるとやがて海藻をエサにしている生物も数を減らし、生態系のバランスが崩れます。
しかしそんな磯焼けでもたくましく生き延びるのがムラサキウニです。 飢餓に強いため中々死なず、折角生えてきた海藻も端からムラサキウニに食べられ、中々海藻が回復しません。 だから磯焼けが起こるとムラサキウニだらけの海になります。
そうなると漁業者の商売が上がったりなのでムラサキウニは駆除されます。 ムラサキウニも食用ウニですが、バフンウニなどの高級種と比べると味が劣るとされ身も少ないです。 特に飢餓状態のムラサキウニは身が少ないため、売り物にするのも難しい悩みの種となっています。
そんなムラサキウニですが廃棄キャベツを与えて養殖する試みがされています。 キャベツを食べて育ったムラサキウニは身が多く味もおいしいとの評判です。 上手くいけば海の厄介者のイメージが払しょくされる日も近いかもしれませんね。
ちなみに我々が食べているウニの部位は生殖巣で、卵巣または精巣を食べていることになります。
ムラサキウニの生態
生息地
日本、朝鮮半島、中国周辺の東アジアの浅い海に生息しています。 特に岩礁にいる姿を見かけることが多いです。
普段の生活
夜行性で日中はじっと過ごし、夜に移動や採食活動を行います。 移動の際にはトゲの間にある「管足」という先が吸い付く器官があり、それを先に延ばして吸い付きながらまるで歩くように移動することができます。
雑食で死んだ動物や海藻を食べます。
繁殖と成長
卵生で6~8月に繁殖期を迎え、一度に数百万~一千万個もの卵を産みます。 卵は1日で孵化して幼生となり海上を漂いながらプランクトンを食べて成長します。 1か月ほどで稚ウニにまで成長すると岩に取り付いて育っていきます。
2~3年で成熟し、寿命は10年ほどです。