アカウミガメ|温帯で繁殖する唯一のウミガメ
名称(学名) | アカウミガメ (Caretta caretta) |
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身体 | 体長:80~120cm / 体重:100~150kg |
生息地 | 温帯~熱帯の海 |
食性 | 肉食寄りの雑食で、くらげ・かに・えび・海藻などを食べる |
アカウミガメの特徴
アカウミガメは名前の通り赤褐色の甲羅を持つウミガメです。 他のウミガメと比べると頭が大きいのも特徴です。
ウミガメは生涯のほとんどを海中で過ごします。 エサを食べる時も海中にいるため、エサを飲み込む時に海水も一緒に飲み込んでしまいます。 しかし海水の塩分濃度はとても高いため、体外へと排出しなければ危険です。
そこでウミガメは目の上にある「塩類腺」という器官から塩分を含んだ水分を排出して調整しています。 普段は海中で行うために分かりませんが、産卵時には陸に上がるので塩水を排出している姿を確認できます。
産卵字に涙を流すと言われることがありますが、これは涙でもなければ産卵時限定のものでもありません。 まあウミガメが目から流しているのは涙じゃないってのも有名な話ですね。
絶滅の恐れあり
アカウミガメは絶滅危惧種で、様々な理由で生息数が減少しています。
基本的に生まれた砂浜で産卵しようとしますが、人間の開発事業によって砂浜がなくなって産卵できなっています。 また孵化後は月明りを頼りに海に向かいますが、街の明かりを月と勘違いしてしまって海に戻れず死んでしまうものもいます。
更にウミガメの性別は卵として過ごした場所の温度で決まるのですが、地球温暖化の影響によりメスばかり産まれるようになりつつあります。
近年では保護活動も活発になってきていますが、予断を許さない状況です。
アカウミガメの生態
生息地
温帯~熱帯の海に生息しています。 アカウミガメはウミガメの中で最北に生息し、温帯で繁殖する唯一のウミガメです。 生涯のほとんどは海の中で、産卵時にのみ砂浜に上がります。
普段の生活
一日中回遊してエサを探します。 肉食寄りの雑食で、くらげ、貝、甲殻類、海藻などを食べています。 前足で砂を巻きあげて、驚いて出てきた獲物を捕食します。
眠くなると岩陰などで休息します。
繁殖と成長
沖合で交尾を行い、初夏~夏ごろに産卵します。 砂浜に上がって砂を掘り、その中に100個程度の卵を産みます。
卵は2か月ほど後の夜中に孵化し、出てきた子亀は協力して砂の上に出ます。 そして月明かりを頼りに海に向かい、そのまま海流に乗って太平洋に向かいます。 食料が豊富な北アメリカの沿岸部で育ち、成長して産卵時期を迎えると数十年かけて日本に帰ってくるのです。
30~50年ほどで成熟し、寿命は70~80年ほどと考えられています。 子宝や長寿のシンボルにもされており、幸運の象徴として見ている国や地域も少なくありません。