バビルサ|歯並びが悪いにもほどがあるイノシシ
名称(学名) | バビルサ (Babyrousa babyrussa) |
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身体 | 体長:90~110cm / 体高:65~85cm / 体重:90kg |
生息地 | インドネシアのスラウェシ島にて森林地帯の水辺 |
食性 | 草食寄りの雑食で木の枝や果実を食べる |
バビルサの特徴
バビルサは鼻や口から飛び出した長い「歯」が特徴です。 一見すると鼻の辺りからツノが生えているように見えますが、これは長く伸びた犬歯が皮膚を突き破って出てきたものです。
歯並びが悪いなんて次元ではなく、酷いものになると「上あごの犬歯が下あごを突き破って更に曲がって上に伸び、目と鼻の間を突き破って出ている」個体もいるほどです。 何を言っているか分からないと思いますが実際訳が分からないことになっています。
この長く曲がった牙はオスのみが持ち、メスには生えません。 なにがどうなってこんな進化を遂げたのか謎で、この牙がなんの役に立ってるのかも謎です。 ただ立派な牙を生やしている方がメスにモテるので、オス同士の喧嘩では相手の牙を折ろうとします。
最後にはこの伸びた牙が自分の頭蓋骨に刺さって死ぬなんて話もあります。 稀にそんな奴もいますが、基本的にありません。基本的に。
バビルサの生態
生息地
インドネシアのスラウェシ島の森林地帯の水辺に単独で生活しています。 泳ぎも得意で、近くの島まで海を渡ることもあります。
体毛がほとんどないまだら模様の皮膚ですが、これは普段生息している川辺や湖の岸で保護色となっています。 また子どものバビルサは体に縞模様があり、これは森林で保護色の役割をしています。
普段の生活
草食寄りの雑食で、早朝に採食に出かけて主に木の枝や果実を食べています。 時々栄養価が高いけど猛毒の植物を食べることがありますが、この毒性は水や泥を食べて中和することができます。
イノシシや豚のように泥を浴びる習性があり、これで体についた寄生虫を取り除きます。
繁殖と成長
発情期になるとオスは複数のメスと交尾し、半年ほどの妊娠期間を経て1~2頭の子を産みます。 イノシシ科は子宝の象徴となるほど多産ですが、バビルサは珍しく子どもが少ないですね。
子は8か月ほど母親と一緒に暮らし、その後独立します。 寿命は20年ほどですが、これは頭に牙が刺さって死ぬ訳ではない…ハズ。