ヒトスジシマカ|白いシマ模様のヤブ蚊

aedes-stegomyia-albopictus
名称(学名)ヒトスジシマカ (Aedes (Stegomyia) albopictus)
身体体長:4~5mm
生息地アジアの温帯~熱帯
食性草食で花の蜜などを食べる

ヒトスジシマカの特徴

aedes-stegomyia-albopictus

ヒトスジシマカは日本でよく見る蚊の一種で、白いシマ模様が入っているのが特徴です。 ヤブ蚊とも呼ばれます。

蚊と言えば血を吸うイメージですが、産卵を迎えたメスが栄養補給のために吸血するだけでオスは血を吸いません。 普段は花の蜜などを吸って生活しています。

蚊に刺されるとぷっくら膨らんで痒くなりますが、これはアレルギー反応によるものです。 吸血の際に血液が凝固しない成分を含んだ唾液を流し込んでくるのですが、その唾液に対してアレルギーが起きています。

なお吸血中の蚊を潰すと体液が血管に流れ込んでくるので危険…という程ではありませんが被害が広がります。 なので吸血中に潰すのはやめましょう。

蚊の例に漏れずテング熱やジカ熱をはじめとした各種病原菌の媒介者であり衛生害虫です。 テング熱など危険度の高い病気が流行の兆候を見せた場合、大々的に駆除されることもあります。 2014年には代々木公園の蚊に刺されてテング熱にかかった疑いを見られ、公園を閉めて蚊の駆除作業が行われました。

実は蚊は最も多くの人類を殺している生物であり、毎年70万人もの人々が蚊によって殺されていると言われています。 日本は衛生が良く医療も行き届いているため死人が出るのは稀ですが、それでも厄介な衛生害虫として注視されています。

でも実は蚊って生態系の中でもかなり重要な役割を占めています。 蚊の幼虫であるボウフラは空気呼吸ながら水生で、汚水の中でバクテリアやヘドロを食べて暮らしています。 脆弱なボウフラは他の肉食動物から見て恰好のエサであり、親はなるべく他の生物が住めないような汚れた場所にボウフラを産みます。

ボウフラはその汚れた場所を食べて成長するので、言い換えると環境を浄化する能力を持っています。 蚊が絶滅したらそこら中が汚水やヘドロまみれになってしまうのです。 ゴキブリと同じく、心情的には絶滅して欲しいけど絶滅すると凄く困る生物だと言えます。

ヒトスジシマカの生態

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生息地

アジアの温帯~熱帯に生息していますが、近年は温暖化の影響で生息域を広げて問題になっています。

水気のある湿った場所を好み、特に幼虫時代(ボウフラ)は水がないとほぼ生きていけません。

本種は基本的に屋外で生活し、人家に入ってくることはそれほどありません。

普段の生活

日中に活動し、夜になるとあまり動きません。 草食で花の蜜などを吸います。

繁殖と成長

卵生で1度に50~80個ほどの卵を産みます。 卵は数日で孵化し、それから2週間ほどで成虫となり、1か月ほど生きます。

3~10月頃は孵化→成長→産卵→孵化のサイクルを繰り返しますが、寒くなると卵の状態を保って越冬します。 なので冬の間はヒトスジシマカを見ることはないでしょう。

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