オシドリ|あまりオシドリ夫婦ではありません
名称(学名) | オシドリ (Aix galericulata) |
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身体 | 体長:45cm / 翼開長:25cm / 体重:500g |
生息地 | 東ロシア、東アジアの水辺 |
食性 | 雑食で水草、種子、昆虫などを食べる |
オシドリの特徴
オシドリは主にユーラシア大陸東部に生息する鳥で、日本でも夏は北海道、冬は本州などで見られます。 繁殖期のオスの毛色がとてもカラフルなのが特徴的な鳥です。
オスの夏羽はメス同様に地味ですが、パートナー探しの始まる秋から初夏にかけてはとても派手な装いになります。 繁殖期に並んで泳いでいる姿はまるで別種の鳥が仲良くしているかのように見えますが、オシドリは他の鳥にあまり近づきません。 派手なオスの隣にいるのはメスのオシドリでしょう。
オシドリと言えば仲の良い夫婦を指す「おしどり夫婦」という言葉があります。 オシドリの夫婦は繁殖期を迎えると寄り添うように生活し、メスは卵を温めオスはメスと卵を外敵から守ります。 これはまさに言葉通りオシドリ夫婦のようですが、実はこれ卵が孵化するまでの期限付きです。
オスがメスの側から離れない最大の理由は、他のオスの横槍を防ぐためです。 オシドリはオスの方が多く生まれるようになっていて、カップルになれなかったオスが沢山出てきます。 あぶれたオスは既にカップルとなっているメスを奪おうとするため、オスはメスの側から離れられないのです。
しかしヒナが孵化する夏頃にはパートナーは解消され、その後はメスが単身子育てを行います。 次の繁殖期には別のパートナーとつがいになるため、オシドリ夫婦なのはワンシーズンだけなんですね。 こうなると「おしどり夫婦」という言葉に別の意味があるかのように思えてきます。
おしどり夫婦という言葉は中国の書物「捜神記」の物語を由来としていると言われています。 実際の生態とは少し違うので間違えないようにしましょう。
オシドリの生態
生息地
ユーラシア大陸東部の川や湖などの水辺に生息しています。 繁殖期にはつがいで活動し、冬には群れで生活します。
普段の生活
昼行性で日中に採食して夜に休息します。 雑食で水草や種子、昆虫などを食べます。
繁殖と成長
冬になると一か所に集まってパートナー選びを行います。 春~初夏に繁殖期を迎え、高所の木の洞に営巣して10~12個の卵を産みます。 メスが抱卵を始めるとパートナーは解消され、オスは派手な繁殖用の羽毛から地味な夏羽に生え変わります。
卵は1か月の抱卵期間を経て孵化し、子は母親が6週間ほど子育てしたのちに独立します。 1年で成熟し、寿命は10年ほどです。