カッコウ|他の鳥の巣に卵を産んで托卵する
名称(学名) | カッコウ (Cuculus canorus) |
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身体 | 体長:35cm |
生息地 | ユーラシア大陸・アフリカ大陸・日本などに広く生息 |
食性 | 肉食で昆虫や毛虫を食べる |
カッコウの特徴
カッコウは渡り鳥で、日本には夏にやってきます。 「カッコウ カッコウ」と鳴くことからカッコウと名付けられました。
カッコウはモズやウグイスなど他の鳥の巣に卵を産む「托卵」という習性があります。 鳥が巣から留守の間に相手の卵をひとつ飲み込み、代わりに自分の卵をひとつ産むのです。
まんまと入れ替わると、カッコウの雛は入れ替わった親にエサを貰いながら成長します。 しかも托卵先の卵より早く孵って大きく育ちます。 鳥には大きい雛を優先して育てる習性があり、カッコウはそれを利用しているのです。 雛は本来の卵や雛を蹴落としてエサを独占し、最終的に托卵先の親鳥よりも大きくなります。
托卵先が被ることもあり、カッコウの雛が2羽孵化することもあります。 この場合は互いに互いを蹴落し、勝った方のみが成長することができます。
托卵は簡単にできることではありません。 卵を産んで抱卵している鳥をずっと見張り続けて、巣を離れた僅かな隙をついて入れ替えなければなりません。 時期が狂うと本来の雛に潰されますし、中には托卵を見破ってカッコウの卵を割ったり雛を食べたりする鳥もいます。
それらのリスクを負っても托卵する理由は、カッコウは体温の変動が29℃~39℃と大きく、自分で体温調節するのが苦手なのが原因です。卵は一定の温度で卵を温め続けなければならず、カッコウが自ら抱卵しても孵化しない可能性が高いのです。 それを鑑みると托卵した方が繁殖に有利になるため、このような手法を取っていると考えられています。
余談ですが、女性が夫以外との子を産み内緒で夫に育てさせることを、カッコウの托卵になぞって「托卵」と表現することがあります。 おお怖い怖い。
別名「閑古鳥」
お店などに全く客が来なくて寂れてしまった様子を「閑古鳥が鳴く」と表現します。 閑古鳥とはカッコウのことで、「カッコウカッコウ」という鳴き声に物寂しさがあることからそう表現されるようになったようです。
カッコウは農村などでは人家近くまで来ることもありますが、寂れた家の近くで鳴き続けるような習性はありません。
カッコウの生態
生息地
渡り鳥で暖かい場所で過ごしています。 日本には5月頃にやってきて、10月頃になると熱帯に渡って越冬します。
主に森林や草原など単独で暮らしています。
普段の生活
昼行性で、昆虫や毛虫などをエサにしています。 夜中から朝まで鳴き続けることもありますが昼行性なのです。
繁殖と成長
5~8月頃に他の鳥の巣へそっくりな卵を産んで托卵します。 卵は托卵先の親鳥に温められ、12日ほどで孵化します。
雛は托卵先の卵や他の雛をすから落としてエサを独占して成長し、3週間ほどで巣立ちます。 寿命は6年ほどです。