田舎が給料安くて物価が高いのはなぜ?

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田舎は生活費がかからないなんてテレビで言ってますが、実際は都会よりかかります。 もちろん都会の一等地などと比べれば話は別ですが、下町とならむしろ田舎の方が物価が高いです。 地域の特産品は安く買えることもありますけどね。

なんでそんなことになっているのかは「規模の経済」である程度説明することができます。

規模の経済とは

Economies of scale

マーケティング用語に「規模の経済」というものがあります。 かいつまんで言えば「生産規模や生産量が多いほどコストは安くなるよ」というものです。 1人前のチャーハンと4人前のチャーハンを作る場合で考えてみましょう。

まずお店に材料を買いに行きますが、材料はまとめて買った方が安くなります。 玉ねぎ1個38円でも3個なら100円になってたりしますよね。 1人前の材料よりも4人前の材料の方が、1人前あたりの材料費は安くなります。

次に作る手間(=人件費)も違います。 1人前より4人前を作る方が大変ではありますが、まとめて切ったり炒めたりできるので4倍も手間はかかりません。 1人前の調理よりも4人前の調理の方が、1人前あたりの手間がかからないのです。

同じチャーハンのはずなのに材料費も人件費も違います。 このように生産量が多い方が費用(材料費や人件費)を安く抑えることができるのです。

規模の経済は仕入、生産、配送、販売、人材など様々な経済活動に関わってきます。 そして大抵は人口に比例して力が働くのです。 都会と田舎の差、うっすら見えてきたのではないでしょうか。

田舎の給料が安く物価が高い理由

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田舎暮らしがやってられない理由、もう分かりますね? 人が少ない場所では経済活動を効率よく成り立たせるのが難しいのが原因です。

田舎は人が少ないので消費力も弱く、必然的に生産量も少なくなります。 生産量が少なければ規模の経済が働かず、経済活動のコストが上がり、従業員の給料を抑えたり物価に転嫁せざるを得ないのです。 生産量を上げるには市場を地域の外に求めなくてはなりませんが、そこで勝負できる何かを生産するのは簡単なことではありません。

各都道府県では、労働者に対して最低でもこれだけ払わなければならない「最低賃金」が設定されています。 厚生労働省・地域別最低賃金の全国一覧を見てみてください。東京は時給900円以上ですが、東北や九州の県では時給700円貰えない所も沢山あります。 傾向として「都会は高賃金、田舎は低賃金」となっていることが読み取れます。

また田舎暮らしは生活コストも安くはありません。 都会は激安店のおかげで生活費は田舎よりも安く、また車を所持しなくてもやっていけるのが大きいです。 「田舎住まいは生活コストが安い」なんて言いますが、それは自分で作物を作ったり地域労働の対価としておすそ分けを貰ったりした場合に限った話です。 農作物の生産や地域活動は最低賃金以下の労働になるので、楽しんでやれないと余計に苦しいですよ。

田舎と都会で時給が200円違う場合、月200時間労働で月給が4万円も違います。年収なら50万円です。 バイトならこの程度の差で済みますが、会社員となると平均で100万円以上の差となり、年齢が上がるごとに開いていきます。

そんな訳で田舎の経済活動は難しいという話でした。 今は人口減少時代なので、現在過疎に見舞われている地域が再び蘇るようなことはまずないでしょう。 政府主導で田舎暮らし政策が進められていますが、よほど田舎暮らしにメリットを感じる人以外は罠ですよ。

日本の人口は今後50年で2/3に減少し、経済活動の観点から都会よりも田舎の方が人口減少が深刻になると予測が出ています。 あの手この手で若者を誘致しようとする自治体が沢山ありますが、これはパイの奪い合いに過ぎないのでごく少数の勝ち残り以外は酷いことになります。 また現時点で過疎に悩む自治体が今後どうなるかは考えるまでもありません。

更に生活コストも安くないとなれば、若者はさっさと都会に出ることをおすすめします。 例外は田舎でも高給な公務員と、ネットなどを利用して場所に関係なく働くことができる職業の人ぐらいですかね。

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